みなさんは「俳句」はどのようなイメージを持たれているのだろうか。
・ある人は「古くさい」「ご年輩の方々の楽しみ」という考えを持つもの、
・あるいは「おもしろい」「言葉遊びができる」
という人もいる。前者は偏見であり、後者はある意味合っている。たしかに季語を使って叙情的に5・7・5を綴っているだけに言葉をどのように合わせるか、という「遊び」にもなる。
それはさておき、本書は女子高生が「俳句」にのめり込む物語である。その物語はミステリーでありながらもハラハラさせるような展開ではなく、むしろ「高校の日常」であるかのようなほのぼのとしたタッチで描かれている。時折俳句も出てくれば、俳人の先生が俳句の良さを所々で教えることから、本書を読むと何か俳句を作りたいという衝動を起こさせる。さらにそのミステリーも奥深く、まさに「読ませる」衝動に駆られてしまう。
ミステリーは全部で3つあり、それぞれに章立ててあるが、いずれも俳句で使われる「季語」が扱われている。これ以上言うと面白味がなくなってしまうが、ある「季節」に共通している「季語」と言えよう。
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