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2012年9月

銀河に口笛

自分自身が振れたことのない雰囲気を醸している。自分自身も昭和の生まれではあるが、物心がついた頃は平成に入っていたため、その「昭和の雰囲気」がいったい何だったのだろうかわからない。今の30代~40代が子供の時、何をして遊んでいたのか、漫画や本から何をしていたのかは観ることができるものの、どのような雰囲気で、どのようなテンションで遊んでいたのかは想像できない。 その触れたことのない雰囲気の中に突然現れ […]

宅配便130年戦争

宅配便は明治時代の「飛脚」以来130年以上に及ぶ歴史があるのだが、その中でも「ヤマト(運輸)」「佐川(急便)」「日通(日本通運)」「郵便局(日本郵政)」の主要企業がしのぎを削っているような状況にある。 さらにいうと現在では「佐川男子」と呼ばれる佐川急便のセールスドライバーである男性に「萌える」女性もでてきており、何かと話題となっている。 本書は130年に及ぶ宅配戦争の歴史とこれからについて取り上げ […]

ラーメンと愛国

もはや「国民食」として愛されているラーメン。そのラーメンも時代とともに変化をしている。名店と呼ばれる所では日本各地に支店を出し、カップラーメンのプロデュースまで行い、かつカップラーメンもカレーやトマトなど味も多岐に広がっていった。 そもそもラーメンは水戸光圀が中国大陸から輸入したものを食したことが始まりと言われているが、広くインスタントがつくられ、現在のように広く食され始めたのは戦後になってからの […]

悪の哲学~ 中国哲学の想像力

「悪」とは何か。 「罪」を犯してからなのだろうか。それとも人間としてはずれたことをやってからなのだろうか。それは定かではない。 自らの「道徳」の中にある「善」と「悪」その二項対立の狭間は、何があるのか不明であるが、本書はその中で「悪」そのものの原理について中国大陸の哲学として「荘子」や「荀子」はじめとした多くの哲学者の思想を取り上げながらその原理を追っている。 第1章「君子の悪と小人の悪」 「君子 […]

武具の日本史~正倉院遺品から洋式火器まで

日本人と武具の歴史は、広義で言えば旧石器時代のころからあるのだが、際だって日本として「武具」を有名にしたのは武士が誕生した平安時代後期にまで遡る。ちょうど時代としては「中世」という立ち位置にあるのだが、その時代から武具はどのように進化を遂げ、どのように使われてきたのだろうか。本書は日本史の中から「武具」にスポットを当てて考察を行っている。 第一章「日本の戦士たちはどんな武具で闘ったのか」 日本の武 […]

哲学者クロサキの哲学する骨董

私たちの世代だと「骨董」というとピンとこない人が多いかもしれない。何せ美術品などの「物欲」そのものが薄れてしまっている。 しかし「骨董」にかぎらず美術・芸術のものには、言葉にできないほどの「美しさ」がある。その「美しさ」に魅入り、さらに骨董を集めるようになる。 「骨董」を哲学すること。その「骨董」に魅入ることのできるメカニズムを本書では解き明かしている。 第一章「骨董と美」 「美しいものは美しい」 […]

タイガーズ・ワイフ

一言で言えば「虎の嫁」と言える作品。「嫁」とはいっても年端のいかない少女のことであり、虎と心が通じるからそう呼ばれたのだという。 本書は紛争の戦禍により被害を受けた動物園も舞台の一つとなっている。その紛争の描写はあまりにも生々しいのだが、事実著者はユーゴスラビアの紛争に巻き込まれキプロス・エジプト・アメリカにと渡り歩いた経歴があるため、その記憶を残している。その紛争の中で著者の周りの人の「死」も見 […]

鉄道と国家─「我田引鉄」の近現代史

鉄道は明治5年に新橋~横浜間に初めて敷設されて以来ずっと交通インフラとして欠かせないものとなった。しかし私は大学に入学する前までは全くと言っても縁遠い者であった。大学時代も小樽・札幌間くらいしか行かなかった。電車が重要な交通手段として認識できたのは東京に初めて訪れてからのことである。 私事はさておき、本書は鉄道と国家の関係について述べられているが、1985年に民営化された前後とそして現在の新幹線技 […]

森林飽和―国土の変貌を考える

森林破壊が著しく、それが環境破壊の象徴といわれている。その対策の一つとして「植林」をする事によってもとの緑の森に戻そうとする働きかけも多い。 しかしその「植林」が森林破壊とはまた違った「環境破壊」を被るのだという。本書ではその緑化に対する「副産物」と呼びタイトルのような「森林飽和」と定義しているが、その「森林飽和」の悪影響について取り上げつつ、その対策も提示している。 第一章「海辺の林は何を語るか […]

心でするダイエット

著者のおち様より献本御礼。 皆様はダイエットをしたことがあるのだろうか。 私自身も大学生の頃何度かダイエットを試そうとしたのだが、いかんせん金欠であり、かつケチだったことから失敗してしまった。 社会人になってからは仕事もあってか、ダイエットどころではなくなってきているのだが。 私事はさておき、ダイエットを失敗した人は数多くいるのだが、その原因は方法そのものにあるのかもしれない。 本書はタイトルにあ […]