「成功」のトリセツ

著者はこれまで数多くのビジネス本・成功本を読み、それを実践することによって「成功」してきた。

その著者も前著である「幸福の商社、不幸のデパート~僕が3億円の借金地獄で見た景色~」で書いたような壮絶な転落人生を歩んでいた。ようやく脱出の兆しを見せた時にナポレオン・ヒルや本田健の本を読んだことがあったのだが、小馬鹿にしていた。

自ら成功本の「モルモット」になり成功本案内という処女作を出して4年、今となっては出版プロデュースや経営コンサルタントと多忙でありながら、充実した毎日を送っている。そのなかで霞んで見えていた「成功」の意味、そしてその「成功」する事のプロセスはいったい何なのか。自ら「成功」した体験について棚卸しを行い「トリセツ」という形でまとめたのが本書である。

第1章「お金の奴隷から抜け出す」
誰しも「儲けたい」「お金持ちになりたい」という願望はある。しかしその「お金」を手に入れる、または使うためのスキルや考え方を学ぶ機会が少ない、というよりもむしろそれ以外のことにベクトルを向いてしまっている。
本書の帯紙に書かれているように、お金を有効活用の方法として著者は「ホテルのスイートルームでカップラーメン食べる」ことを行っている。スイートルームと言うと優雅な食事を連想するのだが、「金銭感覚」を正常に保つための方法として取り上げている。

第2章「仕事を支配する」
「仕事に支配される」人もいれば「仕事を支配する人」もいる。ましてや独立してフリーランス、あるいは起業している人にとってはなおさら両極端に陥りやすくなる。
前者の仕事になっている人が多い中で、いかに後者になるかを本章では示している。

第3章「時間の檻から脱出する」

「時間とお金は等価交換ができる」(p.120より)

まさに正しいと言える。「時間をお金で買う」人もいれば、逆に「お金を時間で買う」人もいる。
そしてその「時間」を家族や趣味の時間に費やす人もいれば、仕事だけにしか費やさない人もいる。
しかしその時間は使い方によって「使う」「使われる」立場になってしまう。
本章では1日の時間の使い方によって「檻」に捕らえられたり、「檻」から脱したりすることができる。

第4章「本当の自分を探す」
「本当の自分」はどのような存在なのか、仕事や本、出会いなどで探す人が多い。私も「自分」を見つめる、作るために前述のようなものを行う、実践するなどを行っている。
著者自身もすべてを失った後、成功本の「モルモット」として様々な成功本を読み、実践を行った方であり、そこから自らやりたいことを行うようになった。

第5章「人間関係を掌握する」
「人間関係」と言っても様々である。その人間関係を築くために、会社の人とプライベートでつきあったりする人もいれば、セミナーや合コンに片っ端から参加して人間関係を作ろうとしている人もいる。そして「人脈」というのも言及しており、「人脈」「人間関係」も含めた本当の意味での「成功」と「関係」のあり方について言及している。

「成功」とはいったい何なのか、物的なものなのか、地位や名誉なのか、あるいは心の至福なのだろうかそれは人それぞれである。しかし自分自身にある「成功」のためにどのようにしたらよいのか、そのことを見直すことができる一冊と言える。

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