むしろ暴落しそうな金融商品を買え!

幻冬舎 様より献本御礼。
私はよく書店に行くのだが、「投資」にまつわる本は色々とある。私自身も2年半前から証券口座を開設し、投資を行っている身である。

投資をするにあたり様々な投資法について示されているのだが、その中でも有力なのが「長期分散投資」があるのだが、著者に言わせれば「かえって大損する」と言われている。本書は様々な投資に関するリスクを主張する一方で、みるからに危険な「暴落しそうな株」をおすすめする慰留について迫っている。

第1章「これだけ読めば「本書のポイント」がわかる」
身も蓋も無いのだが本章を読めばそこで終わりと見えるかもしれない。しかしここでいう「本書のポイント」はあくまで「概要」の部分であり、次章以降でそれぞれの詳細を紹介している。

第2章「長期投資で儲からなくなったのは一目瞭然」
長期に投資をすれば株価そのものは緩やかに上昇するため、確実に儲けることができると言われている。しかしその意見も無責任なのだという。その証拠としてバブルが崩壊以降の日経平均株価の変遷と下落率・上昇率などを示している。

第3章「分散投資ではもはや資産は守れない」
「分散投資」というと、異なる業種、異なる国、異なる種類に対して投資を行うイメージを持つ。しかし人によっては「分散投資」は同業種、同じ種類のものを色々と買うというイメージを持つ方もいる。
本章で糾弾しているのは後者が中心となる。前者も同様であるが、種類によっては進めているものもある。

第4章「個人向けの社債・ミニ公募債・国債、投資していいのはどれか?」
3つの債券を取り上げているが、「債券」投資というとリスクが低く手堅く儲けられるというイメージがある一方で、じつは「百害あって一利なし」の債券ばかりである。「ある一つの債券」を除いては。

第5章「外資への長期投資は日本人には危険すぎる」
外資への投資は広がりを見せている。リスクが大きい分、リターンも大きい。しかし本書はリスク管理の面から「投資」について紹介しているため、「リスクが大きい」という点でかえって危険であることを主張している。

第6章「「暴落しそうで不安だ」と思う資産のほうが安全?」
これまではおすすめしないものばかり取り上げてきたのだが、本章ではおすすめとして「暴落しそうな資産」を取り上げている。むしろ本章にあるような資産の方がリスクが大きいように見えるのだが、むしろそういった状況になることが予想されることから、見切るタイミングを作ることができるため、おすすめしているのだという。

「暴落しそうな資産」というとなかなかイメージしづらい。しかし裏を返せば「リスク」が見えるかどうか、という点では有利に働く。そうでない資産はいつ暴落する危険があるかどうかもわからない。わからないからでこそ「リスク」を知って、投資を行うことが大切であると、著者は警鐘を鳴らしている。