「銀婚式」は結婚25周年の時に祝う式である。結婚50周年が「金婚式」と呼ばれているので、それに倣った形で名付けられたのだろう。
著者も本書の執筆中に「本当に」結婚25周年を迎えたのだという。その25周年にあたる日がこの作品の連載一回目に当たってしまい、夫と口論になったこともあとがきにて告白している。
本書が出版する25年前には「結婚物語」を上梓しており、それから25年間の思い出を赤裸々に回想している。
25年間、「波乱」らしくもなく、けれども「平凡」でもなかった。25年の結婚生活であれば子宝に恵まれても良いのだが、不妊症だった。その治療で病院通いが続き、そのことによって夫婦関係に亀裂が生じた。
他にも小さな事件があり、そのたびに喧嘩をしたり、仲違いをすることはあったけれどもこの結婚生活が25年間続けられたのは夫がいたこと、そして馴れ合いの中で生活が送れたことへの感謝を送っている。
短期間で離婚する夫婦が多い中、こうやって25年間結婚生活を過ごすことができる術を、実体験で教えてくれるような気がする。
あと25年したら「金婚式物語」が出るのか、見てみたい気持ちがある。
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