人を動かす伝え方

あさ出版 吉田様より献本御礼。

「何が言いたいのかわからない」
「納得できない」

自分が一生懸命伝えても、相手がこのように返されてしまってはせっかく伝えようとしたのに水泡に帰してしまう。
本書はそうならないために、相手が動き出したくなるように「伝える」方法について伝授している。けっして相手にたいして、理解してもらうための伝え方ではなく、相手の心も体も「動かす」ことのできる「伝え方」である。

第1章「聞き手の気持ちになってみることで、伝わる。」
「伝える」と「伝わる」とでは意味が大きく異なる。
「伝える」は自分主体で相手へ考えを話す、納得してもしなくても「言った」ということを確認したことを意味している。
一方「伝わる」は聞き手が「納得する」「理解する」ことを主体に置いている。
本書は後者の「伝わる」ことの重要性を説いている。

第2章「「言いかえる」ことで、伝わる。」
同じ言葉でも「言い方」一つで伝わり方が大きく変わる。日本語における表現は多様にある。細かいところまで表現することができる長所もあるのだが、中途半端や曖昧になりやすく、伝わりにくくなる短所もある。
「伝わる」ことを念頭に伝えるための方法、それは「短く」「明確」であり、「ヒソヒソ」と話すことで伝わるのだという。

第3章「「伝え方」を意識するだけで、変わる。」
「伝わる」ためには「無意識」で物事を伝えるだけでは伝わらない。「どうしたら伝わるか」を意識しながら、相手を見たり、ストーリーするなどの方法を採り上げている。

第4章「伝わる質問を、しよう。」
相手のことを深く知るためには「質問する」ことも大事である。しかし日本人は「質問」に対して多かれ少なかれ抵抗を持っている。少しだけ程度の高い質問をするにはどうしたらよいのかを求めてしまう。
本章ではそうではなく、むしろ諮問する側として、答える側としての伝え方を取り上げている。

第5章「人に好かれる、伝え方。」
話すときと書くときの言葉は性格により異なる。その性格を知ることと、自分と相手の共通点を知ることによって「伝え方」も変わり、人に好かれることもできる。

第6章「伝わるから、笑ってもらえる。」
伝わるからでこそ、自分と相手との距離も縮まってくる。本章ではまるで「漫才」のような話し方をすすめているのだが、その「漫才」のような掛け合いこそ伝わることについて、重要な要素を持っている。

第7章「オノマトペで、気持ちを深く伝える。」
効果音を言葉に出すことを「オノマトペ」というが、その「オノマトペ」は日本語として扱われないように思えて、「伝わる」ための表現として感化することはできない。あくまで本書は「伝え、行動する」ことが基軸であると考える以上、感化することができない。

「伝わる」話し方ができるための第一歩は自分の話し方は相手に伝わっているのかを知ることにある。もし、いつも伝わることができるのであれば、本書を読む必要がないのだが、多かれ少なかれ「伝わらない」部分があるからでこそ、本書がある。