これがブログにUPされたときは、3.11からちょうど2年を迎える。被災の中心にあった東北の方々にとってもそうであるが、遠く離れた神奈川の地にいる私でも昨日のように覚えている。過去にも現在にもこれほどの地震に遭遇したことが無く、本当の意味で「災害」をはじめとする、「地震」、そしてそこから来る「二次災害」の恐ろしさをひしひしと感じてしまう。
本書は「今を生きる」シリーズの第2弾として教育や文化の観点から見た「震災」と復興や風化させないことのための「提言」を行っている。
第Ⅰ部「教育現場からの報告」
第1弾でも書いたのだが本書はあくまで「ありのままの体験」や「報告」をもとに、学問的な観点から提言を行った本である。
ここでは教育現場からの報告をもとに「教育」とは何か、防災機能としての「学校」、学校における「避難訓練」の意義、学校再開までの道程を宮城県女川高校、宮城県石巻西高校、福島県浪江高校の高校を三校、さらに中学校を二校取り上げている。
第Ⅱ部「行政、経営的観点からの報告」
第Ⅰ部では学校にフォーカスをして、震災のことを取り上げてきたのだが、ここでは行政や経営として学校がいかに使われてきたのかを取り上げている。「行政」「経営」をタイトルに取り上げているのだが、結局は「教育」と言える。
しかしその教育機関が震災の時、周辺住民たちへの対応も行っていることを忘れてはならない。例えば避難所の提供、さらには仮設住宅建設のために校庭を提供したこともある。
「教育経営」という観点から言うと、第Ⅰ部でも取り上げていたが学校再開までの道程、さらには損壊した校舎の修復など行政機関の手助けをなくして為し得ないものもある。
第Ⅲ部「文化的視点から問う」
とはいえ学校は「教育」を行うための機関である。その教育に当たっての「復興」とは何か、さらに教職員に対しての「ケア」、科学や技術における学問としての「リテラシー」など文化の教育について綴っている。
教育において、「今、私にできること」は何かと言うのを綴っているが、それは東北のみならず、大学全体、もっと言うと教育に関わる方々全体に問いかけられている一冊と言える。
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