キズナのマーケティング ソーシャルメディアが切り拓くマーケティング新時代

一昨年の2011年の漢字として「絆」が挙げられている。ソーシャルメディアを通じた「絆」、それを用いず、内外関わらず、様々な所で「絆」が用いられた。

最初にも書いたように「ソーシャルメディア(SNS)」はTwitterでは「フォロー」、Facebookでは「友達」、Linkedinでは「コンタクト」と言ったつながり、もしくはネットワークによって成り立っている。たとえ対面でも見える形で「絆」を持つことができる、と言える。

本書はそのソーシャルメディアを利用したマーケティング手法について取り上げている。

第一章「ソーシャルメディアって何?」
そもそも「ソーシャルメディア」とは何か。最近では「SNS(Social Networking Service)」と言う言葉がよく使われているのだが、インターネットのネットワークを利用したつながりをつくるサービスを総称して表している。その中には「Twitter」や「Facebook」、さらには「mixi」や「ブログ」などが挙げられる。

第二章「そして本当のキズナづくりが始まった」
ソーシャルメディアが発展してから広告や口コミのあり方が変わっていった。ソーシャルメディアを利用したマーケティング手法、あるいはPR手法といったものが紹介されている。
かねてから有った「口コミ」や「マーケティング」とは違い、自分自身も「口コミ」を発生する側にまわることもある。しかしその「口コミ」は様々な形で巻き込み、巻き込まれることができるのだが、反面「オオカミ少年」になるが如く、誰にも反応をしてくれない。その反応を広げるために「キズナ」が必要である。

第三章「すべてを「自分だったら?」で考える」
一言でいえば「当事者意識」である。
マーケティング手法にしても、もちろんこれを書いているとしても、それを読む・使う立場に立つことができる。「当事者意識」にいかに立ち、かつ近づけることができるのか。ソーシャルメディアを使い、マーケティングを行う人々にとっては腕の見せ所である。

第四章「これだけは守りたいキズナづくりの一三か条」
「キズナ」づくりにも一定のルールが存在する。「誹謗中傷をしない」「機密情報を公開しない」「正直者でいる」など、ごく当たり前なことがあがっているのだが、むしろそれこそ難しいことであり、何度も読み返し、実践し続けることが大事である。

第五章「一番大きな壁は、実は社内にある」
ソーシャルメディアを使ったマーケティングは斬新さが有る反面、従来のマーケティング手法をすべて覆すような形を取るため、異論も絶えない。おそらくマーケティングを行うに当たり最大の難関はそのような方々の「壁」であるという。

本書が出版されたのは3年前の話である。ちょうどTwitterが隆盛し、Facebookが認知され始めた頃の話である。ちょうどソーシャルメディアを使ったマーケティングがまだ知られ始めたことであるため、新しいマーケティングとしてもてはやされたと言える。あれから3年、もはや「当たり前」となった。しかしそのマーケティングについてまだ認知されていない部分がある。その認知されていない部分を補完する、もしくはソーシャルメディア・マーケティングの原点を見出すことができる、それが本書と言える。