ダイヤモンド社 市川様より献本御礼。
福澤諭吉の名著である「学問のすすめ」だが、学問だけではなく、国家、ビジネス、あるいは自己変革など様々な角度から役にたつ。
名著であることは承知しているものの、いざどのように使えばよいのかわからなくなることもある。
「学問のすすめ」は名著であると同時に、国家としても、個人としても「革新」を起こすことに成功した本として知られている。本書はその本質を探りながら、これからの時代の突破口を解き明かしている。
第1章「国家の危機に何をすべきか?」
「学問のすすめ」が発表された頃と、現在と共通している所には「国家の危機」という言葉がある。前者は技術的格差により、独立を失ってしまう不安があること。
後者は財政破綻により、独立を失ってしまう不安があること。
そのような状況の中で私たち国民は、国家は、そして学問はどうすべきか。
この「学問のすすめ」では国家が主体となり、変革を起こす。そしてその「変革」こそ活躍の場を広げるチャンスであると示している。
第2章「新しい時代を切り拓く実学とは?」
新しい時代を切り拓くためには「実学」が挙げられる。「実学」の語源は中国大陸の古典にある「中庸」や「朱子」から使われており、机上の空論ではなく、社会にて役立ち、実践できる学問のことを指す。
幕末には吉田松陰が後の志士や明治時代の礎を切り拓く人々に松下村塾を開き、様々な学問や兵法を実学として教えた史実もある。その教えによって江戸幕府崩壊、明治維新、そして新政府誕生のきっかけにもなった。
第3章「変革期に役立つサバイバルスキルとは?」
日本は変革に迫られている。
その変革の時期に身につけるべきスキルとして、本章では「サバイバルスキル」が挙げられている。その「サバイバルスキル」とはいったい何なのだろうか。
キーワードの一つとして「外側」を見ることが挙げられる。他にも塾や考え方などのスキルも紹介されている。
第4章「グローバル時代の人生戦略とは?」
「グローバル」の時代と呼ばれて久しい。しかしその時代であるにもかかわらず、その波に中々乗れていない人が多いのも事実としてあげられる。
その時代のなかでどのような人生にしたらよいのか。本章では福澤諭吉の人生とともに解き明かしている。
第5章「いかに自分のアタマで考えるのか?」
これからの時代は「アタマ」で考えることが重要になる。しかし、今ある考え方だけでは、とうてい変革を求めることができない。変革を求めるからでこそ、他人や他の組織とは全く異なるような考えを持ち、それを形にしていくことが大切である。
第6章「どうすれば世界は変わるのか?」
世界を変えるためには自分自身の思考の幅も深さも変える必要がある。その思考の幅や深さは机上で唸りながら考えるのではなく、様々な見識・知識・知恵をもって慢心せず、比較対象を広げて行くことが、変革を起こす第一歩である。
そして「学問のすすめ」では「自由」をつくることも変革の一つとして挙げている。
第7章「あなたは日本の未来をどうつくるか?」
「これからどうなるのか」、ではなく「これからどうするのか」。
簡単に言えば「当事者意識」を持ち、自ら見識を広め、新たな発見をし、そしてその発見によって変革を起こす。現状維持のようにただ、毎日同じような日々を過ごすのも一つの人生であるが、本当に変革を望むのであれば自分自身が変革を起こす意識を持つことが大切である。
今の日本に足りないものは、かつて明治維新の時にも「足りないもの」であった。それは歴史が教えてくれている。
「学問のすすめ」はその本質と、それを知った先にどの道を切り開くべきか、そのヒントを与えてくれる。本書はそのきっかけを起こす一冊である。
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