青魚を食べれば病気にならない~万病の元「慢性炎症」を防ぐ

春のシーズンはマイワシが旬である。京都では旬であるが豊漁と言われており、マイワシを買うにも手頃になるのかもしれない。

しかしイワシをはじめとした青魚は子供を中心に嫌いな人も多いと言われている。理由は様々だが、たとえ健康に良いと言われても、である。

青魚は健康によいと言われているが、その中で「慢性炎症」の予防にも効果があると著者は指摘している。だが「慢性炎症」という病気はよくわからない人が少なからずいる。私も本書にであうまでは「慢性炎症」の「ま」の字すらわからなかった。
本書は「慢性炎症」とは何かを知りつつ、それを予防するための青魚の効能とメニューを紹介している。

第1章「万病の元「慢性炎症」」
「慢性炎症」とはいったいどのようなものなのか、

「怪我をしたときなどで病原体に感染し、炎症が起こる。その炎症がいつまでも続く病気」(p.5より一部改変)

と定義している。その病気は後に糖尿病や心筋梗塞といった生活習慣病の原因や予兆にもなるという。

第2章「炎症は体内で燃えさかる火である」
第1章にも書いたように、万病の元となる。「『炎』症」というだけあって、一度慢性的に発生すると、炎のように燃えさかる火となり、その火が痛覚を刺激し、痛みとなって伝わる。その痛みには熱が出ているかのように熱くなる。
しかし「炎症」は全てが悪いわけではない。体内の警告や治癒により起こる炎症もある。しかしその炎症が慢性的に続くとなると話は別である。

第3章「エイコサノイドをコントロールして慢性炎症を防ぐ」
「エイコサノイド」は炎症系のホルモンであり、2種類が存在する。炎症を退治するための「火消し」の役割を持っているもの、もう一つは炎症を促進させ、慢性的なものにさせる「燃やし」をいかにして抑えるのか、本章ではそのコントロール法について提示している。

第4章「内蔵脂肪が慢性炎症を悪化させる」
「燃やし」の「エイコサノイド」によって「慢性炎症」が発生するのだが、それを促進させるのが「メタボ」の象徴の一つである「内臓脂肪」だった。
さらにこの「慢性炎症」は糖尿病を発症したり、アルツハイマーも発生するという。

第5章「慢性炎症を抑える食べもの、悪化させる食べもの」
慢性炎症をコントロールさせるものとして「インスリン」が上げられるのだが、その「インスリン」が沢山あると、慢性炎症にもつながってしまう。それを抑えるにはどうしたら良いのか。メニューは第6章に任せるとして、本章ではそのインスリンを抑えるなどの重要性を説いている。

第6章「慢性炎症を防ぐ「抗炎症ダイエット」メニュー」
空腹になるメカニズム、さらにはインスリンが増えてしまう原理などを紹介するとともに、抗炎症に効く食べ物と、そのメニューを朝・昼・晩ごはんとそれぞれに分割して紹介している。
ちなみに最も抗炎症に効果があるものは本書のタイトルにある通り「青魚」である。

慢性炎症はあまり知らない病名であるが、生活習慣病の一種であり、かつ自分自身の知らないところで進行してしまう恐ろしい病気である。その病気を未然に防ぐためには、まず「気付くこと」、そして「バランスの良い食事」と「適度な運動」が大切であるという。個人差はあるのだが、そのことを心がけることによって慢性炎症を防ぐだけではなく、健康的な毎日を送ることができる。