10年後、金持ちになる人 貧乏になる人

景気が上向きになり、日本は元気になりつつあるのだが、かつての好景気とは違い、自分自身の実力でしか稼げなくなるような時代に入った。そのため「稼ぐ」や「貯める」「殖やす」といった「お金」にまつわるノウハウ本が書店に多く出回っている現状がある。

しかし、お金を稼ぐことのできる人、できない人の差には「考え方」や「習慣」の差があるのだという。本書はその「お金」にまつわる「考え方」「習慣」について「金持ちになる人」「貧乏になる人」の特徴を示すとともに、稼ぐ人の在り方を伝授している。

第1章「お金の正しい使い方を、あなたはわかっているか?」
「稼ぐ人」「お金持ちの人」であることの大きな特徴として「お金を使う」ことにフォーカスを当てている。毎日のお金の使い方次第で自分自身のお金に対する意識も表れ、かつ人間性そのものも表れてしまう。節約にしても度が過ぎてしまうとけちになり、自分の心までも「貧乏」に陥ってしまう。お金を使うこと一つで自分の心が変わる事は恐ろしいのだが、事実である。

第2章「豊かな生活をつくるには、お金を「良く」使いなさい」
「お金」はツールである。そのツールの使い方次第で自分自身を良くすることができ、逆に悪くすることもできる。「時間」もまた然りである。その「時間」や「お金」を自分自身の価値を高めるために、どのような消費をしているのか、と言うのを意識することによって「浪費」にならず、「投資」にすることができる。

第3章「稼ぐ仕事をする人はお金をこう使っている」
お金を稼ぐ人の使い方として、本章では「経費」「本」「奢り」「身の回り」などの「お金」の使い方、「スケジュール」などの「時間」の使い方について紹介している。お金や時間をかけるべき所、逆にそうではないところ、かけるべきでもどのようにしてかければ良いのかまで網羅されている。

第4章「知らないと貧乏になる!? 「ご縁とお金」の法則」
「金持ちは「人持ち」である」
と言う言葉をどこかで聞いたことがある。「人」と「お金」はつながりがなさそうに見えるのだが、「お金」の使い方によって「人」との距離も異なってくる。「金は天下の回りもの」という諺があるのだが、その「お金」は「人」という「縁」という形でやってくることが多い。
本章ではその「人」と「お金」の関連性について「法則」という形にして説いている。

第5章「覚えておきたいお金の使い方・7のルール」
本章では「7つのルール」として「嫌なことがあったとき」「イライラしたとき」「嬉しかったとき」など様々な「気分」の時にどのようにお金を使えばよいのかを示している。「お金」を使うときは理性で考えることもあるのだが、時として「衝動買い」と言うような「感情」によって買うときもある。その「感情」と「お金」とをいかにして付き合えば良いのかを示しているため、衝動買いの感情が起こりそうになったとき、一読すると良い。

お金の使い方次第で人は変わる。それが今すぐに変わる事もあれば、本書のタイトルで示している「10年後」になる人もいる。もっとも長い目で見ると、明らかに変わってしまい、お金や時間の使い方一つを意識することで人生そのものも大きく変わってしまう。その怖さを知り、チャンスに変えることの重要性を本書は提示している。