「仕組み」本の第2弾として発売された同名のタイトルが「新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている」と同じように5年間の時を経て復活した。本書では「仕組み」シリーズの第2編であるが、8つの思考パターンに分けて仕組みと、それを構築したときの考え方、さらには「新版」と題しているため、旧版から5年後のことについても綴っている。
Part1「なぜ“「仕組み」思考”が必要なのか」
私が「仕組み本」について始めて取り上げたのは2009年のことである。「利益の出る」仕組みを作ることで、「ラットレース」から脱出するためのもの、と指している。その「仕組み」は前著である「結局~」も一緒であるが、どのような「仕組み」があるのかは本書を含めると10数種類ある。本書はその中から9種類の仕組みについて取り上げている。
Part2「「仕組み」所有者たちの思考に迫る」
「仕組み」思考 その1【複製】
一つは今でもホットなものとなっている「アフィリエイト」である。そのアフィリエイトに対して「マウスが潰れるまで」SEOを研究し、実績の挙げた仕組みを商品やジャンルに分けて「複製」すると言う形である。アフィリエイトと言ってもただ単純にリンクや画像を貼れば良いのではなく、ユーザーの思考過程を考え抜いてつくられているため、SEOと心理というものを極限までに突いて仕組みを作っていた。つくった仕組みは5年後も続いており、かつ企業のブランディングなどにも力を入れている。
「仕組み」思考 その2【他力】
サラリーマンでありながら、週末起業によって複数の飲食店を経営しているかたを紹介している。その「仕組み」は自分で動かしているのではなく、「資金調達」や「店舗運営」などは他人に任せる、いわゆる「他力」を使っているとのことである。週末とは言っても時間は限られている。限られているからでこそ、「他力」でできることは「他力」で行う仕組みを作ったという。
本章で紹介されている仕組みは今も動いているが、その仕組みを作った人はサラリーマンを退職し、オーナー一本で行いつつ、さらなる試行錯誤を続けている。
「仕組み」思考 その3【継続】
仕組みを作る、稼ぐにも「継続」は最も重要なことである。いったん「仕組み」をつくれば終わり、と言うわけでは無く、常に改良を続ける事、そして新たな「仕組み」を構築する事が大切である。
本章では不動産投資で「仕組み」をつくった方を紹介しているが、様々な投資をはじめ、ビジネスパーソン向けの教室など経営の多角化をする、さらにジョイントベンチャーなどを行うなど新たな仕組み作りを精力的に行っている。
「仕組み」思考 その4【分身】
仕組みとは言っても一つだけ仕組みを作るだけでは無く、いくつかの柱をつくり、仕組み化することもできる。このことを「分割」と定義している。本章ではアフィリエイトやインターネット販売、私塾などインターネットを軸にした仕組みについて紹介している。
インターネットを基軸にしたビジネスは場所を変えたり、柱の数を変えたりしながらも続いている。
「仕組み」思考 その5【標準】
業界によっては単純な作業に対し、「仕組み」をつくることによって「標準」化する事ができる。本章では保険業で行うことができた「標準」化した仕組みについて紹介している。
その仕組みを作った方は保険業を辞め、新たな業界で「標準」化できる仕組みを作り、現在も活躍している。
「仕組み」思考 その6【法則】
株式売買にも「仕組み」をつくることができる。株式売買というと経済情勢や今後の見通しなどによって不規則に変化をしていく印象を持ってしまうのだが、その変化を「逆張り」し、「法則」化することによって景気に左右されず、常に利益を生み出し続けている「仕組み」をつくったのだという。
その「仕組み」はリーマンショックやアベノミクスでも同じように働いたと言うが、昨今の株式市場の乱高下状態でも働いているのだろうか気になるところである。
「仕組み」思考 その7【即行】
情報を扱う事業はとにもかくにも「スピード」が求められる。最近メディアで引っ張りだこになっているアフィリエイターも「音速」と呼ばれているように、よりスピードが求められるほどである。そのスピードで行うためには「即行」で行うことが大切であり、「仕組み」もまた然りである。その仕組みは海を越え海外に渡っても通用している。
「仕組み」思考 その8【論理】
ビジネスにおいて「論理」は最も要求されるビジネスの一つである。その「論理」を鋭く突き詰めることによって、大きな「仕組み」を構築する事もできる。不動産通販で「仕組み」をつくった方も「論理」を突き詰め続けた事によって構築をする事ができた。論理でつくった「仕組み」は変化を遂げながら雪だるまのように利益を生み出し、グループ会社にまで発展を遂げた。
「仕組み」思考 プラス・ワン・モア【多面】
「仕組み」は一つの要素だけではつくることはできない。「他力」「複製」「継続」「即行」といった様々な要素を絡めながら「仕組み」をつくる、もしくは回し続ける事が大切である。
「仕組み」をつくるのはこれからの時代も大切な要素Ⅱなる。自分が働いている会社をよく見てみると、様々な面で「仕組み」をつくっていると言っても過言ではない。その「仕組み」を実践し、構築し、なおかつ回し続ける事で「ラットレース」を脱出する方法になる。しかし「仕組み」はビジネスである。当然寿命があり、トレンドや市場と言った「読み」もまた「仕組み」づくりでは大切なことである。
「仕組みは進化をする」
その進化は「続ける」だけではなく、広げることも、辞めることも、同じ事が言えており、仕組みを構築した方は今日もまた仕組み作りに没頭し続ける。
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