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2013年6月

シェフの哲学―食の探求から三つ星レストランの運営まで

「食」の世界は奥が深い。高級食材をふんだんに使った贅沢な料理から、100円にも満たないような料理でも味は千差万別とある。「食」にまつわる「味」の追求は料理人に限らず、様々な人が研究し、公の場で実践し続けている。 その「研究」と「美味」への追求は本書で紹介される「三つ星レストラン」のシェフも例外ではない。19歳から料理の世界に入り、現在は三つ星レストランのシェフとして、辣腕を振るう著者が自らの半生を […]

極めるひとほどあきっぽい

日経BPマーケティング社 様より献本御礼。 技術をとことん極めると、頂点のようなものが見えてくることもある。それが見えたとき、達成感と同時に、途方もない空しさが襲うようになる。そこから「飽き」が生じ、新たなことを始めようとする。 自分自身も飽きっぽい性格であり、技術や興味がある程度まで達すると、とたんに「何をやっているのだろう?他にやるべきことがあるのでは」と思ってしまい飽きてしまうことが度々あっ […]

好奇心ガール、いま97歳

「好奇心」は人の精神を若くさせるのを、本書では伝えているのかもしれない。私自身も「好奇心」の塊であり、幼稚園の頃は触れてはいけないものに触れて怒られたり、大人になった今でも、知らないものやことに触れたい衝動に駈られたりすることが度々ある。 本書の著者はまさに「好奇心」の塊であることを自覚しており、それは年々「好奇心」が強くなっているという。今年で白寿を迎える著者の半生を顧みるとともに、自分自身の持 […]

新宿末廣亭うら、喫茶「楽屋」

JR新宿駅東口を出て10分程歩いた所に寄席である「新宿末廣亭」が存在する。そこではほぼ毎日のように寄席が開かれるだけではなく、協会の垣根を越えた二つ目が「深夜寄席」を開き、芸の鎬を削る場所としても知られている。 その末廣亭の裏手に 「楽屋」という 喫茶店が存在する。寄席の裏にあるだけあり、出番前・後の芸人、寄席に足しげく通うファンらが、一息をいれるために集まる「隠れ家」のような喫茶店である。 その […]

弔い論

「弔い」とはいったいなんなのだろうか。調べてみると、 「1.人の死を悲しみいたむこと。  2.送葬。葬式。のべのおくり。  3.法事。追善。」(「広辞苑 第六版」より) とある。つまり亡くなられた方への追悼の意味をなしている。「死」と「生」、「死者」と「遺族」と「弔問者」の関係について「靖国神社」や「折口民俗学」などに触れながら考察を行っている。 第1章「幼子の死と弔い―子どもの近代と生死の諸相か […]

日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか

「別れ言葉」というのがある。その「別れ言葉」のは「また会いましょう」や「お元気で」の他に、日本語には「さようなら」が存在する。「さようなら」の語源は「さらば(去らば)」という接続詞からきている。本書はその「さようなら」の成り立ちの歴史について探求した一冊である。 第1章「「さらば」「さようなら」という言葉の歴史」 元々「さらば」という言葉は「接続詞」だったことは最初にも記した。その「さらば(然らば […]

グローバル化と日本のスポーツ

昨日ワールドカップ最終予選で、日本代表はオーストラリアと戦いはドローに終わった。結果として5大会連続出場が決まったが、PKで同点になったとはいえ、このままの状態ではグループリーグ全敗敗退となってしまう。これからの1年間でどこまで強化できるのかが注目となりそうである。 サッカーもそうであるが、スポーツの国際化が止まらない。バスケットボール、ラグビー、さらに日本の武術の一つである柔道も国際化が進んでい […]

青い光に魅せられて~青色LED開発物語

今となって、LEDは一般的なものとなったのだが、かつてはかなり珍しいものといわれており、とりわけ本書で紹介する「青色発光ダイオード」はなおさらである。「青色発光ダイオード」と言えば2001年に特許をめぐって民事訴訟をかけられ、2004年の判決の判決審では被告が原告に対し、200億円の賠償金を支払う判決がくだったことが挙げられる。それほど価値の高い発明だったことが窺える。 本書はその青色発光ダイオー […]

アベノミクスの真実

昨年12月の衆議院総選挙で、自民党が3年3ヶ月ぶりに与党に返り咲いた。その時をきっかけに、これまで伸び悩んでいた株価が一気に上昇し、かつ「超円高状態」にあった円相場も急速に円安となった。これらを含め首相主導の下、デフレ脱却に向けた経済政策が動き出した。俗にいう「アベノミクス」である。 しかし経済政策など、様々な政策を実行するたびに、賛否両論が巻き起こる。「アベノミクス」も例外ではなく、賛同・批判双 […]

仕事の9割は世間話

私は話すことがあまり得意でないせいか、世間話に関して抵抗があった。仕事をしているわけであったが、それ以外のことについて話すことはもっての他だと思った。 しかしその認識は間違いであった。世間話は仕事を行っていく上で重要なことであるのだという。 本書はその仕事を行って行くに当たり、世間話の効用と、仕事がうまく行くための世間話の段取りを伝授している。 第1章「人間関係は世間話から始まる」 人間関係の潤滑 […]