彼は二十一歳年下

最近では「熟年離婚」もある一方で「年の差婚」と言うものもある。1年か2年ほど前に男性芸能人が20歳~30歳ほど年下の女性と結婚したという話題があった。

本書はそういった報道の逆であり、女性が年上であるという話である。年の差婚の一つであるが、年上の女性は既に還暦を迎えている。
今となっては高齢化社会と言う時代で、還暦を迎えた女性が本のタイトルに書いてある通り、21歳年下が恋をしたことから物語は始まる。還暦を迎えても企業で働いたり、恋をしたり、青春を謳歌したりする時代である。

その女性は若い時に結婚したが、離婚してしまいバツイチとなった人である。最初の結婚の時は「結婚」そのものはあたりまえであり、20代で結婚しなければならないような時代だった。しかし「急いては事をし損じる」という諺があるが如く、夫婦関係はぎくしゃくしていった。結婚歴が増えるにつれ悪化の一途を辿り、夫婦とも離婚をするようになった。

調停になるほどごたごたとなったものの、離婚によってある意味自由の身となった女性はとあることから年下の男性と恋をした。「恋に年齢はない」とよく言われるのだが、その言葉を体現した本が本書と言える。