MONTH

2013年9月

銀幕の銀座 – 懐かしの風景とスターたち

東京・銀座には今、高級感と華やかさが漂っている。立ち並ぶ店はこぞって高級店や個性的な店であり、日本はおろか世界中のセレブやビジネスマンも通い詰める。 このような形になったのは東京オリンピック以降のことであり、それ以前は銀幕や歌と言ったものが盛んな街だった。 銀幕の中心だった時代、それは戦前のモダン以降の時だったのだが、その時に活躍したスターたちにフォーカスを当てているのが本書である。 Ⅰ.「戦前の […]

「いろはかるた」の世界

「かるた」というと、有名なものでは、6月まで放映されたアニメ「ちはやふる」で取り上げられたほど有名な百人一首がある。これは平安時代に詠まれた和歌が100首取り上げられており、取った枚数を競うゲームである。 「かるた」と言えば、もう一つ「いろはかるた」がある。これは昭和40年代に一大ブームが起こり、現在は下火となっているものの、正月を中心に子どもたちに親しまれている。本書は「いろはかるた」とは何か、 […]

TOKYOオリンピック物語

2020年のオリンピックが東京に決まった。投票結果は1回目・3回目ともに圧勝した形である。元々有利に働いていたのは事実であるが、汚染水や竜巻報道により、若干不利に動いたと言われていたが、フタを開けてみれば、致命的になることはなかった。これから7年間、オリンピック開催に向けていろいろと動くことになるのだが、官・民共々開催、そして成功に向けて動いていくことだろう。 本書は今から49年前になる「東京オリ […]

明治神宮~「伝統」を創った大プロジェクト

JR山手線の原宿駅を出て少し歩くと明治神宮がある。毎年正月になると初詣客でごった返す姿は、正月の風物詩としてニュースで取り上げられる。 明治神宮には明治天皇と昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)が祀られている。そもそも明治神宮が作られたのは1915年、昭憲皇太后が崩御された1年後の事である。 本書は明治神宮ができるまでの経緯と、東京、ひいては日本としての明治神宮の存在について考察を行っている。 第 […]

パワードスーツ

日常の中に「SF」の要素が組み込まれている様なタイトルである。 本書の舞台は近未来の地方都市を舞台にしており、老人達が次々と失踪したときから物語が始まるのだが、やがて「連続失踪事件」から「殺人事件」へと発展したとき、「パワードスーツ」及びそれに関わっている人物を巻き込んでスリルもあり、滑稽でもありと言える様なミステリー作品である。 SFとミステリー、2つの要素を合わせながら展開していくのだが、高齢 […]

もう読みたい本がない!

自分自身の趣味として読書があり、そこから2007年に書評を始め、2009年に書評家となった。 書評を始めてからおおよそ2,000冊の本の取り上げてきたのだが、読んだ本はその4倍、つまり8,000冊以上にも及ぶ本を読んだ。多いように見えるのだが、それより多く読んでいる人もまだまだいるため、自分自身では「まだ足りない」という認識である。 私事はここまでにしておいて、私は毎日本を仕入れるために本屋に立ち […]

宮本亜門の バタアシ人生 ―自殺未遂・引きこもり・対人恐怖症・・・すべて経験済み 居場所を見つけた11人の生き方のコツ話

人生には「山」だったり、「海」だったり、あるいは「道」だったりと、いろいろなものに喩えられる。その道は決して平坦なものではなく、前に進まない、後戻りする、思った以上に前進すると言ったことが度々起こる。 本書は中でも「海」に喩え、泳ぎ方の中でも「バタアシ」と見立てて自らの人生を語るとともに、同じ境遇にあった人との対談を綴っている。自殺未遂や対人恐怖症、さらには引きこもりなど自分自身の心に関する病のあ […]

仏教の身体感覚

「仏教」と言うと、「般若心経」をはじめとした、読経を連想してしまうのだが、仏教僧の修行のように、様々な「苦行」を通して悟りを開くと言ったものもある。しかし「悟り」を開くために身体感覚は庶民にとっても「坐禅」など一部の行動でしか理解できない。 しかし、仏教には様々な所で身体感覚を覚えるものがあるのだという。本章は「肌で感じる」ことを念頭に置きながら「仏教」とは何かを紐解いている。 第一章「ブッダとダ […]

ショットバー

「ショットバー」は簡単に言うと、グラス1杯ずつ提供するバー(酒場)の事を表しており、カタカナ語ではあるが「和製英語」として用いられる。 本書の主人公はある商社に勤めているOLで、バリバリのキャリアウーマンと言いたいところだが、顧客のクレームに辟易し、不満をぶつけたくなる毎日だが、彼氏もいて、そろそろ結婚も考えていた。デートをする前に時間ができてしまって、とあるショットバーに立ち寄った。 ふらっと立 […]

後藤新平~大震災と帝都復興

今日9月1日は「防災の日」である。 この日になった理由は、今からちょうど90年前の今日、神奈川県相模湾を震源とした地震(大正関東地震)が起こった。後に「関東大震災」となり、約10万人もの命を失った。命だけでは無く、神奈川・東京を中心に多くの家屋を失ってしまった。 その震災から復興するために後藤新平が「帝都復興計画」を計画・指揮し、台湾や満州の開発にも携わった男について再評価をしたのが本書である。 […]