本気でやったら意外と楽しい!? マイルの奴隷

「奴隷」というと、人に使役される、こき使われると言ったイメージを持たれてしまうのだが、本書のようにポジティブな意味での「奴隷」はあまり見かけない。

「マイルの奴隷」

それは、飛行機の魅力にズブズブとハマり、生活そのものにまで隷属してしまう、という苦しくもなく、むしろ「愉しい」奴隷生活のことを言う。
本書の著者は航空評論家であるが、それは表の顔でじつは、本当の意味で「マイルの奴隷」となった。その証拠に本書の前書きとして「マイルの奴隷」高らかに宣言している。

一章「飛び奴隷」
「マイルの奴隷」にも色々な役割を持っている、一つ目として「飛び奴隷」を挙げている。
「飛び奴隷」は言うまでも無く、「飛行機を利用してマイルを貯める」ことに執心した奴隷のことを表す。ただ「飛ぶ」だけであれば近くに飛べば良いのだが、「マイルを稼ぐ」ことを目的としているため、遠回りになってもお構いなし、むしろ「遠回り」を大歓迎している。
なぜ彼らは「飛び奴隷」になるのか・・・それは多く使った人にとって栄誉である「最上級会員」になることである。(JALANAと受けられるサービスは異なる)

第二章「陸奴隷」
私もANAのマイレージクラブに入っているが、飛行機に乗ることは年に1~2回くらいしかない。しかしマイルを貯める手段は空路だけではない。コンビニなどでもマイルを貯めることができる。列挙してみると、

・電子マネー(EdyやPASMO)などを使う
・マイレージクラブと提携している店に行く
・マイルをためることのできるクレジットカードを使う

他にも色々あるのだが、少なくとも衣食住を全てにおいてマイルを貯めることが可能であるという。

第三章「マイラー社員」
少なくとも「マイラー社員」は航空会社関係の社員を指しているわけではない。会社員が出張する際に、飛行機などわざわざマイルの貯まる交通機関を使う、経費をマイル貯まるカードで支払うなど、会社行事や仕事の移動・買物などをわざわざマイルの貯まるような手段を用いて会社の経費にしつつも、自分のマイルを貯めることのできる裏ワザを本章では伝授している。

第四章「モラルなき奴隷」
ここまでは法律としても、モラルとしても大丈夫なマイルのため方を伝授してきたわけだが、ここは本当の意味で「やってはいけない」マイルのため方を紹介している。中には完全に「違法」のものもあり、罰せられることになってしまう。
本章のタイトルや内容が刺激的だからという好奇心であっても、絶対にやってはいけないことを本章では列挙している。

マイルの奴隷になる事は決してネガティブなことでは無い。むしろポジティブなものである。その理由には自分にとっても最上級の特典を手に入れる事のできる可能性があり、かつ、飛行機も買物も楽しむ事ができる。ましてや航空会社にとっても「良いお客様」として喜ばれる。マイルのことを知らなかった人も、もしくは飛行機が好きな方にとっても楽しめる一冊である。

最後に本書の著者は「日本一のマイルの奴隷」と言えるかもしれない。何せ、今までANAだけで500万マイルを貯めたと言う人は見たことがないのだから。