恋愛検定

目下空前の「検定ブーム」と言われる今日この頃。

一風変わった検定が存在した。
その名も「恋愛検定」。その名の通り「恋愛力」を測るための検定試験である。

「恋愛力」とひとえに言っても「コミュニケーション力」や「セルフプレゼンテーション力」「洞察力」「客観性」など様々な力が要求される。

まるでビジネスの様な検定じゃないか、という風にイメージをする方もいると思うが、あながち間違いではない。なにせ「ビジネスと恋愛は同じ」と主張する人は何人も見かけており、ビジネス書でも同様の事を記している本は何冊も見かける。

それはさておき、「恋愛検定」を各級ごとに受験する人物の顛末を描いた物語であるのだが、「恋愛検定」は筆記試験だけのように見えて筆記試験ではなく、受験から本番、そして合格発表までの一連のプロセスが「実技試験」のようでいて面白かった部分も多い。

巻末には、精神科医の解説が付いており、単なる小説ではなく、巷でよく見かける「ハウツー本」ならぬ、恋愛の「ハウツー小説」といった一冊である。恋愛に疎い方もそうであるが、そこそこ恋愛をしている方でも楽しめる一冊である。