宝くじが当たったら

私は、社会人になってからは宝くじを買ったことがない、いや、買わないようにしている。実際に当たる可能性も低いと言うのもあるし、実際に1等○億円をもらったとしても、もらった後はある種の地獄が待っているように思えてならないからである。実際に億単位の当選金をもらって、そこから実際に悲劇に遭遇した人もいることから、「正負の法則」という物じゃないけれども、ラッキーなことがあればアンラッキーな事が、逆に苦労もあれば楽になるようなこともある。

ただ私は、一時期は宝くじにハマったときがあった。大学1~2年生の時だったのだが、多いときには1万円近いお金をはたいて宝くじを買ったものの、僅かな額しか当選せず、結局辞めてしまった。

私事はここまでにしておいて、本書は宝くじで2億円を当て、一夜にして億万長者になったサラリーマンの物語である。宝くじを当て、人に言って、実際に使って見るなど、面白おかしい展開ながらも、人間としての「欲」がありありと見えてくるような気がした。フィクションながらも「もしも宝くじで一夜にして、億単位のお金が入ったら」という心情と行動が出てきているように見えた。もっと言うと、主人公の周囲の状況が変化し、誹謗中傷もあれば、「お金貸して」という言葉で金をせびってくるような人も出てくるなど、「枯れ木も山の賑わい」という言葉が如実に表されていた。

その体験を通じて、あるカード会社のCMに出てくる「お金では買えない価値がある」と言うことを学ばされた様な気がした。

そう言う意味では、これから宝くじを買いたい人、あるいは宝くじにはまっている人は是非読んで欲しい一冊である。