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2014年2月

神さまの贈り物

「こんなことをいきなり話しても、だれも信じてはくれないと思う。  だけど本当にぼくは、天使と心を通わせたんだ。」(p.7より) 主人公は12歳の少年であるが、両親の仕事の関係で物語の舞台へと引越すことになった。物心の付いた頃から両親は働いていて、スキンシップがほとんど無く、愛情という愛情もほとんど受けたことがなかった。引越してからも親の愛情を受けることがなかったのだが、家の不思議さに不安を覚えた。 […]

宝くじが当たったら

私は、社会人になってからは宝くじを買ったことがない、いや、買わないようにしている。実際に当たる可能性も低いと言うのもあるし、実際に1等○億円をもらったとしても、もらった後はある種の地獄が待っているように思えてならないからである。実際に億単位の当選金をもらって、そこから実際に悲劇に遭遇した人もいることから、「正負の法則」という物じゃないけれども、ラッキーなことがあればアンラッキーな事が、逆に苦労もあ […]

セカイと私とロリータファッション

今となっては「ゴスロリ(ゴシック・アンド・ロリータ)」や「甘ロリ」など、ロリータファッションを見ることがある。それに関する専門店や雑誌も色々と出てきているのだが、そもそも「ロリータファッション」、及び「ロリータ」はどこから来たのだろうか、そしてその風潮はこれからどこに行くのだろうか、本書はファッションから見た「ロリータ」について追っている。 第1章「ロリータに出会う」 「ロリータファッション」が有 […]

日本の味 醤油の歴史

日本人にとって書かせないものとして「醤油」がある。料理の「さしすせそ」としても「せうゆ」として「醤油」が挙げられる。日本における「醤油」の歴史は深く、日本でも広く扱われているだけではなく、海外でも英語で「ソイ・ソース(soy sauce)」として愛されている。 「歴史は深い」と書いたのだが、そもそもの歴史はどのようなものなのか、本書は醤油そのものの歴史から、関東・関西・九州それぞれの地方の醤油の歴 […]

日本語の哲学へ

本書の著者はNHK経営委員の一人で「朝日新聞東京本社襲撃事件」を起こし、拳銃自殺を遂げた野村秋介を礼賛する発言が話題を呼んだ方の一冊である。 元々著者は哲学者であり、欧米における近代哲学を片っ端から批判しつつ、日本ならではの探求し、掘り起こした、現代日本哲学を形成づけた立役者の一人として知られている。 本書は彼女における「日本の哲学」の集大成と言えるものである。 第1章「日本語と哲学」 元々哲学は […]

チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石

2月14日はバレンタインデーである。 その当日まではお菓子屋やデパート、ショッピングモールなどではいろいろなチョコレートが販売され、本命・義理関わらず、大盛況である。ちなみに私は独り身であるので、自分でチョコを買って食べるというくらいである(もちろん仕事上のティーブレイクとして)。 それはさておき、バレンタインデーは本来「269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイ […]

日本の電機産業に未来はあるのか

今、日本の電気産業は危機に陥っている。先のシャープの経営問題もさることながら、最近ではソニー、電気産業ではないものの近しい存在として任天堂が3期連続赤字を出してしまい、ソニーでは主要事業の一つであるVAIOブランドの売却を決めた。 しかしこの「電気産業の危機」は今に始まったことでは無い。「失われた10年」と呼ばれた時代から現在進行形で続いており、とりわけ奈落の底と言われた2009年もあったのだとい […]

追跡!私の「ごみ」―捨てられたモノはどこへ行くのか?

普段の生活で必ず出てくるものとして「ごみ」がある。その「ごみ」はゴミ集積所にまとめられ、その後分別ごとに埋め立てたり、焼却したり、再利用したりする。 しかし、本当のところどのように「ごみ」は行くのだろうか。本書は「ごみ問題」について具体的な流れについて取り上げている。 パートⅠ.「埋立てる」 多くのごみは、回収トラックにて回収され、集積場に集められ、埋立場へと運ばれ、ごみは埋められる。 埋立場の歴 […]

悲しみを生きる力に――被害者遺族からあなたへ

天災と同じように、悲しみも突然起こる。それは交通事故もあれば、殺人事件まで存在する。本書で取り上げる遺族は、事件から13年の月日が流れた現在でも謎に包まれている「世田谷一家殺害事件」の遺族である。家族を殺害された悲しみもあるのだが、それ以上に今でも解決されていない苛立ちもある。 本書は事件から13年経った今、当時から今までの状況を振り返っている。著者は実際に殺害された家族を妹に持ち、隣に住んでいた […]

言霊 大伴家持伝

言葉には色々な意味があり、力がある。とりわけ「力」の部分では、「言霊」と言われるのだが、奈良時代の歌人で、三十六歌仙の一人である大伴家持は5・7・5・7・7の短歌から織りなす風情を彩り、現在でも万葉集や小倉百人一首などで伝えられている。 本書はその歌人の世界において「言の葉」でもって世を鎮めるという試みをした側面から描かれている。そもそも日本最古の歌集である「万葉集」は大伴家持の時から親子二代で4 […]