儒教と負け犬

昨日に引き続いての「おばさん」シリーズである。
今回のテーマは「負け犬」について。しかも本のタイトルに「儒教」が付いている、というのは、本書は東京・ソウル・上海の3箇所の「負け犬」を紹介しているためである。その3都市の共通点には「儒教」が伝えられていることから本書のタイトルになった。

「負け犬」の定義は、今は異なるものの、

「30代過ぎても独身の人」

のことを指している。「今は異なる」と言うことを言った理由は、一昔前は20代で結婚することが多く、それを過ぎてしまうと婚期が過ぎてしまい、「負け犬」と定義されてしまっていた。今は非婚・晩婚化が進んで行っているモノの、価値観は変わったものの、大筋な所では変わっていない。むしろ30代以降になってくると、理想像もだんだん高くなり、ますます結婚から遠のくという悪循環に陥ってしまっている。

日本ではそうなのだが、「ソウル」「上海」と旅してきて、現地の「負け犬」を取材している。興味深いのが日本にも共通する悩みも多ければ、韓国・中国それぞれの「お国事情」も絡んでいたところにある。「負け犬」をテーマにしている一冊だが、アジア全土を観ていくとさらに面白くなるのでは、と自分自身想像もできて面白い一冊だった。