「正しい失敗」の法則

「失敗」は誰にもつきものである。しかしその失敗にも「正しい」ものと、「取り返しの付かないもの」とあるのだという。しかし「失敗」というと「怖い」「失うものが大きい」という印象を持っており、極度に恐れてしまうことによって新しいチャレンジをする事ができないような状況に陥ってしまっている。

本書は今の若者をはじめとした社会を鑑みながら、チャレンジをする事、失敗をすることの大切さを説き、思い込みや悩みの扱い方、そして「やりたいこと」などのあり方を伝授している。

第一章「今の自分に満足しているか?」
おそらく多くの人は今の「自分」に満足されていないだろう。成功していようが、していまいが、何かしらの「不満」を持って生きている。むしろ何も不満もなく、十分に満足しながら生きている人生の方が衰退の一途を辿るようだが。
そもそも不満に思っていてもなかなか前に進まない。それは新しいチャレンジをしようにも「失敗したらどうしよう」というような抵抗・マインドブロックが存在するからである。そのマインドブロックがチャレンジを阻害してしまい、後々「あのときやれば良かった」という後悔が生まれてしまう。

第二章「思い込みにまみれていないか?」
「失敗」は一時的な気の沈みでは済まされないこともある。「失敗」そのものがコンプレックスになるだけではなく、それが引き金となってチャレンジしてくれない所もある。
それはさておき、チャレンジの阻害となる要素の一つとして「思い込み」が存在する。「思い込み」と0ひとえに行ってもネガティブなものから、ポジティブなものまで存在する。それを打開するためには人と会う、さらには読書をするなど、新しい考え方などを常々取り入れることが大切である。

第三章「その悩みは解決不可能か?」
人生を歩んでいくと所々で悩む事がある。その際に、その悩みについてどのように解決して行くのかとまた答えのない問いに悩んでしまう。本章では著者自らの人生と悩みの全てを明かしつつ、ビジネスにおける悩みをどのようにして解決して行くのか、付き合っていけば良いのかを解き明かしている。

第四章「人生最大の失敗は?」
あなたにとって「人生最大の失敗」は何なのか、というところだが、私の「失敗」は色々とあって分からない。むしろ見切り発車で現在の人生を歩んでいるのが失敗なのかも知れないが、まだこれが一概に最大の失敗とも言えない。
私事はさておき、著者自身の最大の失敗を綴っており、その中でその「失敗」をどのようにして乗り越えてきたか、教訓にしていったのかを綴っている。

第五章「今、一番やりたいことは何か?」
この質問は、将来だけではなく、現在進行形で問われる質問である。むしろその質問は手帳に記録しておいて、迷ったときに自分自身に問いかけていくと良い。その「やりたいこと」を向き合い、チャレンジし、失敗し、それでもなお前を向いて突き進んだ先には、理想以上の未来が見えてくる。

よくビジネス書で「失敗」について取り上げることが多いのだが、その時には人生の糧と言われたり、貴重な財産と言われたりする。しかしいざ「失敗」の当事者になると、行動そのものもネガティブな物になってしまう。そうではなく、失敗から原因を学び、次なる成長へと繋ぐことができる。そのことを信じることを伝授した一冊と言える。