歌舞伎町トップホストが教える シャンパンタワー交渉術

講談社様より献本御礼。
「交渉術」と言ってもそれを書いている人は、ビジネスマンにしても邂逅間にしても色々といる。本書はその中でも「ホスト」の交渉術を紹介していくわけだが、私自身「ホストクラブ」と言うと、イケメンだったりトークが上手かったりというイメージを持ってしまうのだが、指名を獲得する、一晩で高額な注文をしてくれるには交渉も必要になってくるのだという。
本書は新宿・歌舞伎町の三本指に入るホストクラブで幾度となくNo.1を獲得したホストの交渉術を伝授している。

第1章「交渉の第一歩は「信頼関係」」
No.1になるために、もしくはより多く稼ぐためには、交渉が必要になってくるのだが、交渉以前にやるべき事が存在する。それはホストとお客さんとの「信頼関係」を持つ事が大切であるという。ではどのように築くべきか、容姿もさることながら、自分自身を自己開示しつつ、親近感を持たせる。そしてマメに連絡を取る、嘘をつかずに約束を守るなど、人と人との関係を常々大切にすることで信頼感を高めることができる。

第2章「交渉は 「聞く」「見る」から始まる」
ホステスとは異なり、ホストの世界は「永久指名制」である所がほとんどである。なので最初から指名が決まるまでが一勝負としてある。本書でも指名に至るまでの「プレゼン」があるのだが、プレゼンをやるまでの間に相手の情報を見る・聞くと言った事が必要になってくる。相手が求めるモノとは何か、質問をしたり、回答をしている間の仕草を見たりして、お客さんは何に興味があるのかと言うところを探る。本章では他にも「ギャグ」についても言及している。

第3章「相手を気持ちよくさせる会話術」
本章では「会話」を取り上げているが、他にも著者の生い立ちからホストになるまで、さらにはホストの仕事をしていての失敗談がふんだんに盛り込まれている。特に失敗談は「会話」をはじめとしたコミュニケーションにも大いに関わってくるため、本章でも肝に近い部分と言える。

第4章「クライアントを落とすトップホストの実践交渉テクニック」
とはいえ、本書は「交渉術」の本であるため、交渉のテクニックには何なのかと言うところが重要である。しかも「シャンパンタワー」が大きなカギとなる。それはなぜかと言うと、「シャンパンタワー」は行うだけでも100万円はくだらないと言われている。もちろん規模にもよるが簡単なものから、大がかりなものまで様々だが、だいたいの基準は100万円以上と置いておく。
もちろんお客さんの中でも手が出せない方も少なくないのだが、実際はじめからそれを目指さずに、交渉を重ねていくうちに、プロセスの中でシャンパンタワーの注文が決まる、と言った事が起こるという。そのプロセスで行う交渉の方法を伝授している。ちなみに著者はシャンパンタワーを何度も経験しているという。

第5章「ホストのウラワザ交渉術」
「ウラワザ」と言うことだから、簡単に交渉できるものがあるのかな、と思っている方も多いようだが、実際はかなりシンプルなことである。とはいえウラワザと定義しなければならないほど、できていない人も多いという裏返しとも言える。

No.1は突き抜けたイケメンというよりも女性の感情に敏感でありながら、常に信頼関係を大事にする、その過程で「交渉」が非常に大事になってくる。それはホストの世界に限らず、ビジネスの世界でも、もっと言うと恋人とのデートの時にも必要になってくるのかも知れない。そういった場面で本書が大いに役立つ、そう思った一冊である。