星降る楽園でおやすみ

無認可保育園と言うところで園児5人を人質に立てこもる事件が起こった。身代金を要求されたが、この事件には身内が手引きをしているという疑いが。その疑いに疑心暗鬼となる園長さらには人質となった園児を持つ家族も巻き込まれ、複雑な人間関係の中で人間の心がどのようにえぐり出しているのか、と言うことを描いている。

本書を見て気付いたのが、単に事件を解決していくミステリーばかりでは無く、「無認可保育園」の存在、そこで預けられている子供はもちろんのこと、預けている親の関係など、「今」このような問題が起こっていると言うことを事件の中に埋め込まれている所にある。

自分自身は無認可保育園の存在こそは知っているものの、どのような所か、そこでどのような保育がされているのか、そして預けている方々はどのような方なのか、というのは全く知らない。あくまでフィクションの世界であるのだが、そう言う内情を知ることができたと言う意味では収穫と言えよう。