中高生のための「かたづけ」の本

私が中学・高校の頃、ほとんど「かたづけ」ができなかった。個人的な部屋があったのだが、けっこう散らかっていて親に怒られることもしばしばあった。もっと言うと大学生の時に独り暮らしをするようになったが、相変わらずで、就職するようになってから「かたづけ」の重要性をようやく見出して、できるようになった。

私事はさておき、最近では「かたづけられない」人も多くなっているのだが、「かたづけ」を中学・高校の時代からどのように教えていくのか、それについても知る必要がある。本書の対象は中高生を対象にした「かたづけ」力の鍛え方だが、かたづけられない中高生を子供に持つ親にも知る必要があるのではないかと思った一冊である。

第1章「「かたづけ力」をつける」
「こんなに部屋を散らかして・・・はやく片づけなさい!」
かたづけのできない人は親からこんな事を言われたことがあるだろう。少なくとも私はかたづけが苦手であるだけに、こんな事は日常茶飯事のように言われていた。掃除は好きなのに、片づけになるとどうも苦手になる。とんだ無精者かもしれない。
それはさておき、片づけをするための特効薬をいくつか提示する。例えば「親戚の人が来る」とか、写真を撮る、感情論抜きで一つ一つやってみるなど方法は様々である。

第2章「かたづけの方法」
本章では「実践編」としてQ&A形式で方法を伝授している。中高生を対象としているため、文房具はもちろんのこと、プリント、マンガ・本、思い出の作品、学校のカバンに至るまで網羅されている。

第3章「「かたづけ」ってなんだろう」
しかし「かたづけ」のできない人が疑問に思うことがある。それは本章のタイトルにも書いてあるとおり、どうして「かたづけ」をするのだろう、と言うことである。もっと言うと重要なものがたくさんあると、選択することもできなくなる。もちろん自分にとって「本当に必要なもの」の取捨選択ができなくなるために優柔不断に陥ってしまう。それを防止するために「かたづけ」と言うのが存在する。物事の取捨選択、情報の取捨選択できる、一つの手段として存在しているのかもしれない。

かたづけ上手になれば、生活そのものにも変化を生じる事もでき、それでいながら物事をより合理的に考える事ができるようになる。ものを取捨選択するにも考える事が必要になってくるので、家、もっというと部屋の中でできる思考力のトレーニングにもなる。そういう形で練習をやっていけば必ずや「かたづけ」上手になることができる。本書はそれを教えてくれる。