ブルーシート

ブルーシートというと、レジャーなどで使われる青いシートを連想するのだが、震災などのレスキュー時にも使われる。

豆知識はここまでにしておいて、本書は2013年1月に福島県立いわき総合高等学校がアトリエ公演として上映された演劇の戯曲である。そもそもの戯曲は福島県における東日本大震災を題材にしているが、自ら体験したように死体や、倒壊した建物の惨状を克明に描かれており、私としてもセリフ一つ一つを見て、震災の恐ろしさ、もっと言うとその状況から立ち直ろうとする高校生達のひたむきさは非常に印象的だった。

震災を題材にしているため、非日常、それも未曾有の災害に出会ったとしても、生きたいという思いと、日常に戻りたいという思いがひしひしと伝わる。表題の「ブルーシート」の他にも「教室」がある。こちらもまた大阪のフェスティバルで児童演劇として上演されたものである。こちらは「ブルーシート」とはうって変わり、教室そのものの日常を克明に描いており、ほのぼのとした感じで作られている印象だった。