プチ・プロフェスール

「プロフェスール」はフランス語で「先生」「教授」の事を指す。そう考えると、本書のタイトルは直訳すると「小さな教授」と言うのだが、何の先生だろうか、と読み進めていくと科学を研究していることから、俗に「リケジョ」と呼ばれている。「リケジョ」や「プロフェスール」と言っても、大学院生であるため、「教授」でも無ければ「博士」でもない。しかし、そのリケジョに憧れる小学生が「先生」や「教授」と呼んでいることから、そう名づけられたのだろう。もっと言うとまだまだ先生になるには若いことから、タイトルに「プチ」と入れたのではないかと思う。

タイトルはここまでにしておいて、本書はそんな「リケジョ」とリケジョに憧れる小学生の女の子が難事件に挑む、というミステリー小説である。しかしミステリー作品でありながら、表紙にもあるのだが、アニメ「日常」に出てくるようなタッチのストーリーが想像できてしまう。(現に装丁イラストは「日常」作者のあらゐけいいちなのだからそうさせてしまう)

とはいえ難事件の推理のプロセスはミステリーらしく、リケジョの子が論理立てて推理を持って行っている。その論理立てた推理が「リケジョ」らしく、それでいながら科学嫌いの人でもすんなりと頭に入っていくところが魅力と言える一冊である。