舞台の神に愛される男たち

舞台というと色々あるのだが、本書では演劇や歌舞伎と言った数多くの人々が彩る所を「舞台」と定義している。その中では主役が最もスポットライトを浴び、演技をこなしていくのだが、そのこなしていく中で「名脇役」とも呼ばれる人物もいる。もちろん名脇役と呼ばれる方々の中には主役を張っていた時期もあり、その経験から脇役として主役を支えている人もいるのだが。

本書はその舞台で脇役としても主役としても支え続けていた名優13人を取り上げている、有名な人物で言えば柄本明や笹野高史、すまけい、山崎努、奥田瑛二、山田太一、さらに歌舞伎界では九代目坂東三津五郎が挙げられている。著者も長年インタビューを行ってきた方であり、印象に残った舞台のシーンについて、事細かに引き合いを出しながら役者は演じた時の心境を回想している。

もっともインタビューを受けた役者たちはそれぞれ舞台に上がったきっかけが異なる。その異なる中でいかにして舞台に魅入ったのか、そして自分の舞台をどのように定義しているのか、自分自身の人生や仕事をして行く上での糧になる一冊と言える。