老いに振り回されない生き方 養生訓に学ぶ

自分自身まだまだ年寄りというわけではないのだが、もうそろそろ30歳になる。30になれば、後は老年を迎えるまであっという間だと言うことを考えると、早いかもしれないが「老い」の事について考える必要がある。老いに振り回されず自由に生きるためにはどうしたら良いのか、本書では身体・心の健康、人生、死について約20年に渡る実践をもとに提示している。

第一章「からだと健康」
著者が20年にわたった実践した本がある。それは1713年に本草学者・儒学者である貝原益軒(かいばらえきけん)が出した「養生訓」であるが、これは江戸時代における健康的な生活について取り上げた書籍である。健康として欲を抑えること、そして孟子の「三楽」に因み、養生するための「三楽」も取り上げている。
さて、本章の話に入るのだが、日本は高齢化社会を迎えている中で、健康的に年を取るためにはどうしたら良いか、まずは「からだ」の面からどのように老化するのか、そしてその老化を抑えるためにはどうしたら良いのか、その対策方法について取り上げられている。
「からだ」と言っても筋肉の老化や、内臓の老化があり、前者は対策として「運動」、後者の対策としては「食事」、そして両方の対策として「睡眠」が挙げられる。

第二章「心と健康」
「病は気から」と言う言葉があるとおり、体が健康的でも、心が不安定になると、健康的な食事をしていても病気を起こしてしまう。心技体全てが健康的でないと、健康的二浪かができないことから心の健康も欠かせない。
心の健康をいかにして維持すべきか、本章では「鍛える」事を念頭に記されている。ではどのように鍛えるのか、そのキーワードには「努力」と「習慣」にある。

第三章「高齢者と人生」
定年がこれまで60歳になった時に訪れるのだが、最近になると65歳や70歳、さらには定年すら設けないような所も存在する。定年を迎え会社勤めを終え、第二、もしくは第三の人生をいかにして歩むかがカギとなる。なぜなら環境が大きく変わり、自分自身を保てるのか、そしてこれからの人生を欧化することができるかにかかっている。とはいえ新しい環境では少なからず不安を持ってしまう。その状況をどうすべきかについて記されている。

第四章「死と祈り」
老年になると当然「死」が身近に迫ってくる。その「死」に対して恐れるのか、そして「死」を迎えるために準備を進めていくかによって見方が大きく異なってくる。迫り来る「死」に対して以下に接するかによって「老い」の内容も大きく変わってくる。

私はまだまだ20代であるのだが、それでも老いるのはあっという間である。そのことを考えると「今からでも遅くはない」と言う気持ちがある。老いに向けた準備は健康もそうだが、いかにして「生きる」か、そしていかにして「人生を過ごすか」そのことにかかっていると本書を読んでいて思った。