スギナの島留学日記

元々兵庫で生まれ・育った女の子が、高校進学と同時に、島根県・隠岐諸島にある島前と呼ばれる場所に留学した。その島に留学し、様々な体験をして、著者は何を感じたのか、本書は留学した日々について綴っている。

第1章「私は島留学生」
そもそも兵庫で生まれ育った著者がなぜ島根の島に留学しようとしたのか。その理由として著者の父が仕事で隠岐島前に行くことがあったのだという。その父が島に高校がある事を知って著者に勧められ、運命を感じて留学することになったのだという。高校生活は親元を離れ、寮生活を送ることになったのだが、その中でも著者にとって新しい体験の連続だった。

第2章「高校で」
高校の授業の他にも部活動を掛け持ちしていた著者はその中でも印象的な部活として「ヒトツナギ部」の活動を中心に取り上げている。この「ヒトツナギ」は高校の名物の一つで、

「島前高生が企画・運営する島内外の中高生をつなぐ四泊五日の旅」(p.3より)

とある。本書では具体的に示されていなかったのだが、準備期間などの記載があったため年に1回開催されるものと見て取れる。年に1回行われる活動に向けてどのような準備が行われ、参加者・運家者双方の立場からどのような意味があるのかと言うことも語られている。他にも本章では高校独特のカリキュラムとしてある「夢ゼミ」も取り上げられている。

第3章「休日に」
私の高校時代はほとんど休日が無かったので、高校生の休日はどうだったのかと言うのが気になって仕方が無い。著者の休日は非常に充実しており、よく見る高校生らしくショッピングに行ったり、美味しいものを食べたりすることもあり、他にも牛や馬などの動物にふれあうこともあるのだという。

第4章「島の春夏秋冬」
島の春夏秋冬ははっきりとしている。日本海に面したと言うのもあるのだが、海など、自然とふれあいながら春夏秋冬を楽しめると言うのも隠岐島前の魅力の一つである。そのことを著者自らの体験を通じて取り上げている。

第5章「島の人たち」
著者が出会い、関わった方々を紹介している。その中には町長もいれば、父親の上司、島の旅館の方々などもいる。

第6章「杉菜と朋美のおすすめの場所・食べ物」
「杉菜」は言うまでも無く著者の名前である。「朋美」は著者の友人の名前である。その2人がよく行く場所・食べ物の中から選りすぐりのものを紹介している。

著者は今年の3月に卒業し、本土に戻って大学に進学する予定である。その際、島での生活がいかにして生きるのか、そして3年間の生活によって著者はどのように変化したのか、それについても知りたいのだが、それは大学に進学して数年たってからゆっくり見いだして、また本にするのかもしれない。