宇宙太陽光発電所

太陽光発電は2011年に起こった東日本大震災に伴う福島第一原発事故にともない、太陽光発電が注目を浴びている。その一つとして「メガソーラー」がある。他にも太陽光に関する技術として本書で取り上げる「宇宙太陽光発電」も挙げられている。著者は30年以上にわたって宇宙にソーラーパネルを設置する研究を続けてきたという。かつては空想科学の如く扱われたものだったのだが、現実のものとなりつつある。その宇宙太陽光とはいかなるものなのか、本書は宇宙開発とともに取り上げている。

第1章「どうなる? 現代文明」
現在において全世界で問題を抱えている要素として「人口」「食糧」「エネルギー」が挙げられる。「人口」は100億人に迫るほどの爆発的な人口増、「食糧」は環境の変化による食糧難、「エネルギー」は石油をはじめとした資源枯渇が挙げられる。

第2章「わが国の宇宙開発の現状」
宇宙開発で目立っているのはアメリカやロシア(ソ連時代も含む)が挙げられるのだが、日本もまた人工衛星をはじめ宇宙飛行に成功した事例が存在する。他にも様々な分野で宇宙開発を行われたのだが、その一つとして次章で述べる「宇宙太陽光発電所(SPS:Space solar Power System)」が挙げられる。

第3章「宇宙太陽光発電所(SPS)構想とは―「病める現代文明」救済の国家戦略」
宇宙太陽光発電所の大まかな形は冒頭にて書いたのだが、その構想は長きにわたって構築していった。その宇宙太陽光発電のメリットとして規模の大きさや効率性、自己増殖などが挙げられるという。他にもマイクロ波エネルギー伝送技術も併せて研究されているが、その効果と研究の進捗について取り上げている。

震災が起こってもうまもなく4年たつのだが、今もなお発電エネルギーについて、現存する発電はもちろんのこと、新エネルギーについても有用かどうかの議論が続いている。もちろん新エネルギーに関する研究も未だに実用化されているものと、されていないもの、さらに実用化されていても、本当に発電システムを変化できるほどの規模なのかどうか今もなお不明である。もちろん宇宙太陽光もまた可能性はあるのだが、それが起爆剤となるかどうかは謎である。