不安症を治す―対人不安・パフォーマンス恐怖にもう苦しまない

私自身仕事をしている時も、ボーっとしている時も何かと不安にさいなまれてしまう。その不安までは大丈夫なのだが、人によっては不安が「対人不安」や「パフォーマンス恐怖」を覚えるのもいるのだという。心的な病として、いわゆる「社会不安障害」と呼ばれるものであるという。

本書はその現状について取り上げつつ、社会不安障害をいかに和らげ、不安をコントロールしていくのか、そのことについて取り上げている。

第1章「みんな不安を抱えている」
今、日本では「不安」という言葉が蔓延している。その要因として「パフォーマンス」や「効率」が重視され、人間としての「心」が失いつつあるところにある。またその「不安」によって最初にも書いたように「社会不安障害」、さらには「うつ病」のような症状にさいなまれる人もおり、最悪自殺に至ってしまうケースも存在する。

第2章「それって「社会不安障害」?」
「社会不安障害」は「うつ」とは違って、社会的に認知されにくく、無視され続けられてきた病気であった。精神医学的に解明されていてもなおである。しかもその「不安」についてかかっている人もまた、「どうして不安を抱えてしまっているのかわからない」と認識してしまい、精神科医ではなく内科医に言ってしまうような人もいるのだという。

第3章「不安を和らげる治療法」
不安を和らげる方法はいくらか存在するのだが、その一つとして短期的なものとして「薬」がある。その不安を和らげる薬、そして効能についても本章にて紹介している。またもう一つとして長期的に不安を和らげるために「不安を慣らす」方法についても紹介している。

第4章「さまざまな不安障害」
「不安障害」とひとえに言っても、人ばかりではない。「犬」や「飛行機」など動物や場所といったモノに対して恐怖を覚えるケースもあるという。ほかにも手を洗うことがやめられなくなる「強迫性障害」、過去の強烈な体験がトラウマとなってよみがえる「PTSD」など多岐にわたる。

第5章「不安はコントロールできる」
「不安」を覚える傾向として何もかもパーフェクトでいようとする「完璧主義」、さらには弱みを見せられないこと、また八方美人であることといったものがある。そういったマインドに対して生活習慣からどのように見直し、不安をコントロールしていくのかについて取り上げているのが本章である。

誰しも不安を抱える世の中で、それをあらかじめコントロールすることによって予防をすることが大切であるが、一番の予防策としては自分自身も「社会不安障害」という病を知る事、そして社会的にもその病が認知することが肝心である。そのきっかけとなるのが本書といえる。