86歳ブロガーの 毎日がハッピー 毎日が宝物

私自身、ブログをやり始めてもうそろそろ10年経つ。最初の2年間はすでに削除をしてしまったので、残ってはいないものの、そのほとんどは書評を書き続けていた。しかし書評をしたことによって、「書評家」になれたし、もちろんブログについての可能性があるため、ドンドン続けていく所存である。

私事はさておき、本書は82歳という年齢でブログをスタートし、現在もブログを続けていらっしゃる方の記事を綴っている。もちろん綴られている内容にはパソコンをもらったとき、ブログを始めたとき、そして自らの生涯などがある。

第1章「パソコンが新しい世界を教えてくれた」
著者がパソコンに目覚めたのは還暦を過ぎたころ、お絵かきなどをしえ知多という。ほかにも様々な機能を使って、悪戦苦闘しながらいろいろと作るようになったという。しかも使ったOSもウィンドウズからマックまで幅広い。もちろんブログもその一環としてスタートした。

第2章「今だからわかる、昭和の思い出」
著者は昭和2年(1927年)に生まれた。ちょうどその時は世界恐慌に陥る2年ほど前で日本は好景気の最中にあった。その昭和の時代に貧富の差や恐慌、戦争などが起こった。ブログでも著者が幼いころの服装や髪型、学校、運動会といった当時の「日常」について綴られている。
ほかにも疎開などの戦争体験についても綴られており、戦争を知らない世代にとって非常に貴重な話もある。

第3章「年齢を忘れる趣味の時間」
「認知症予防」として様々な手法があるという。例えば生涯学習やスポーツ、さらには趣味などが挙げられる。その中でも著者はブログ・パソコンのほかにも「スケッチ」を行っていたという。そのスケッチにまつわるエピソードを本章にて披露している。

第4章「生きがいはいつも目の前に」
生きがいはどこにでも存在するのだが、老後の過ごし方によって、毎日生きがいをもって生きることができるのか、空っぽの寂しい人生を送るのか大きく分かれる。著者はブログやスケッチをはじめ、様々な生きがいを見つけており、「老後も忙しい!」と書かれているごとく、毎日充実した日々を送っている。

「物事を始めることに遅すぎることはない」という言葉をよく聞くが、本書ほど体現している方は見当たらないといっても過言ではない。著者のブログ「気がつけば82歳」では、日々の生活の中で様々な気付きをもっており、なおかつ昔話も交えており、飽きさせない記事が多く、頭が下がる思いである。もはやブログは誰でも持つことができるものになっていったが、著者のように生きがいとしての「ブログ」を見出す可能性を秘めている。あと余談だが、本書が出版された当時の著者が86歳であり、現在は米寿を迎えている。