「筋肉」よりも「骨」を使え!

最近私は体を鍛えている。そもそも仕事柄あまり運動しないことから運動不足であることを感じていて、日常的にウォーキングをおこなっているのだが、それでも足りない。そのことからインナートレーニングやウエイトトレーニングなどを少しずつ行い始めているのだが、その中で本書に出会ったとき、その前提が覆ってしまった。もちろん鍛えることを念頭に置いた一冊であるが、しかし「鍛える」ことや「使う」場所が違うのだという。本書のタイトルにもあるようになぜ「骨」なのか、その理由を紐解いている。

第1章「常識を根本から疑ってみる」
「鍛える」というと筋肉を思い浮かべる。私自身もそう思っていた。さらにトレーニングにしても「科学」や「データ」を重視して効率的に行うというような風潮があるのだが、そこにも著者は疑問視している。その疑問視の理由として剣道やゴルフなどを引き合いに出している。

第2章「ここ一番の力をいかに出すか」
ここ一番の力は状況によって出すことができる。もちろんその力を出すためにも普段の練習やトレーニングが必要になるのだが、その方法やマインドの持ち方などのことを伝授している。

第3章「窮屈な社会で自由に生きる」
今の社会は窮屈であるのだが、その窮屈な環境の中で自由に生きる考え方、さらにはマスターの仕方などを伝授している。

第4章「日本人の潜在能力を取り戻す」
そもそも体の使い方・つくりは日本人と西洋人とで大きくことなる。その理由として文化・食生活など様々な要因があるのだという。また潜在能力もまた然りであるのだが、日本は食生活にしても、文化にしても欧米の影響を受けたことにより、消滅の危機に瀕しているという。その消滅に危機に瀕しているものをどのように甦らせるか、そのことについて取り上げている。

第5章「スポーツから日本が変わる時」
スポーツの観点からどのように日本を変えて行くかについて、本章では「スポーツ教育」を取り上げている。その中には陸上競技から、著者自身が講師として、とある高校のチアリーディング部に対して武術の動きを教えたときのことを綴っている。

第6章「イメージを力に変えるコツ」
スポーツなど様々な場面でイメージトレーニングを行う時がある。そのイメージトレーニングをすることによって力になり、成功や勝利に導くようにしていくというものであるが、そのイメージを力に変える方法として、身体からの指示に従ってみたり、自己主張をやめたりするようなことを伝授している。

第7章「気骨のある自分になるために」
本章では実践編として「骨ストレッチ」をはじめとしたエクササイズを伝授している。本章を繰り返しやっていくことによって鍛えることができるようになる。

鍛えるために「筋肉」ではなく「骨」にフォーカスされていることは非常に斬新さがあったのだが、よくよく読んでみるとかつてから存在した日本の武道にあるものを利用して鍛える方法が挙げられている。そのことを考えると本書は全く斬新な方法と言うよりも、むしろ温故知新や原点回帰の部分も存在しているのではないだろうか。