組織がみるみる変わる 改革力

「改革」はビジネスや政治など、様々な場で行われる。しかしいざ改革をしようと画策しても、どのように行ったらよいのかわからない、あるいはそれを阻害する存在があるなど、様々な要因があって改革が頓挫してしまうケースが多い。そこで本書である。本書は実際に橋下徹元大阪府知事・前大阪市長の時代に指南役として動いた著者が改革の舞台裏とともに、改革をどのようにして進めたらよいかを提示している。

第1章「これが改革だ! ――橋下・大阪改革の舞台裏」
実際に大阪にて行われた改革として挙げられるものとして、「地下鉄・バスの民営化」「大阪市立の動物園・美術館・図書館の改革」など様々な事例を取り上げている。橋下徹氏が知事に就任する前の大阪は、大阪府・大阪市は二重行政で様々なムダがあった。そのムダをいかに解消するか、そのことを橋下徹氏とどのように連携を取りながら、改革を行ってきたのかを綴っている。

第2章「何を改革するのか――マッキンゼー流、分析と着眼のポイント」
単純に「改革をする」と言っても、具体的にどのような改革を行うか、そして改革を行った先に何をもたらし、求めるのか、その目標や目的が不透明では何の意味も持たない。その目的や目標を明確にししたうえで、改革を行うためにはどのようなアプローチを当て、計画・実行などを行うべきか、著者自身がマッキンゼーにいた時代に培ったことを取り上げている。

第3章「どうすれば改革は成功するのか――情熱と冷静な判断」
改革を成功するためにはどうしたらよいか、綿密な計画・適度な実行を行ったとしても、なかなか改革はうまくいかない。その要因には冒頭にも取り上げたように改革を阻害する人・要因と言ったものがある。それをどのようにして回避し、改革を成し遂げていくか、そこには論理とは異なる「情熱」も必要であり、状況を読み取り「判断」をすることが大事であるという。

第4章「改革チームをどう動かすか――リーダーとメンバーの条件」
改革は一人では不可能であり、チームをつくって、何人もの人物の協力でもってなしえることができる。そのチームをいかにして組み、動かしていくべきか、そのことについて取り上げたのが本章である。

生き残るためには「変化」が必要であるのと同意義で、改革は生き残っていく上で必要なことである。しかしその改革をして行くにも様々な障害や課題が山積となっていく中でいかに改革を達成していくのか、その道筋を表しているのが本書と言える。