プロ法律家のビジネス成功術

「法律家」と言っても様々な人がいる。著者のような行政書士もいれば、司法書士、さらには弁護士・弁理士といった様々な法律を駆使して、サービスを提供するという側面を持っている。そのことから法律を利用したビジネスとも言えるのだが、そもそもそれらは公的な資格を取得して、初めてその仕事を行うことができる。人によってはその方々が集まるような事務所に就職し、修行を積んだのちに独立開業をする人も少なくない。しかしそういった方々であればあるほど、集客など様々な要素が必要になってくる。本書はその心構えとテクニックを伝授している。

PART1「成功への心構えとメカニズム」
最初に取り上げた法律家が行うようなビジネスはいわゆる「許認可ビジネス」と呼ばれるようなものであり、法律的な縛りは強い。そもそも国などが定められた法律を駆使してビジネスを行っているようなものだから、それを悪用してしまうと認可元である国の責任になりかねない。
そのようなビジネスだからでこそ、ビジネスを行う際には細心の注意を払う必要があるのだが、もっとも法律家のビジネスは飽和状態に近いところにあり、戦略を立てないとなかなか稼ぐことができない。本章はその現実と心構えについて取り上げている。

PART2「「資格」だけで食えるほど甘くない」
PART1でも取り上げた通り、資格を得たからと言って、稼げるとは限らない。むしろ多くは全く稼げることなく、別の仕事に就く人も多い。そのようなことにならないためには、どのように仕事を確保したらよいか、チャンスをつかんだら良いか、そして強みを見つけどのようにして活かすか、そのことについて取り上げている。

PART3「「お客・情報・金」が集中するビジネス戦略」
ビジネスを行う際には戦略は必須事項である。戦略を持たずにビジネスを始めてしまうと、立ち行かなくなることは目に見えている。そのような方々の多くは「じゃあどのようにして戦略を立てたらよいのかわからない」という。その方々に対して戦略の立て方をどうしていくべきか、本章では顧客やお金やそして情報をいかに収集し、駆使していくかを伝授している。

PART4「ベンリで効果的な集客方法」
独立開業の法律家がまず壁に当たるものとして「集客」がある。どのようなものかというと、「顧客集め」と言った方が良いのかもしれない。その顧客を集めるためにはどうしたらよいか、メールやFAX、DMなどの広告宣伝、そしてそれにまつわる新規開拓の方法を伝授している。

PART5「価値の再定義でさらに大きく稼ぐ」
事業は個人でできるもの・規模もある一方で拡大していくと、どうしても組織にしていく必要がある。その組織にしていくためにはどうしていくか、そして本人はどのような仕事が必要になっていくのか、本書は自らの体験をもとに綴っている。

法律家とは言えどインフラの部分はあるが、どちらかというとビジネスの部分が大きい。そのビジネスをどのようにつくり、拡大していくか、それは実際に法律家としてという側面もある一方で「経営者」であることに変わりはない。いかに経営者の視点から物事を見ることができるか、そしてビジネスとして成長していくのかがカギとなる。