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2016年7月

クマゼミから温暖化を考える

「地球温暖化」の話はもう何十年も前から言われ続けてきており、未だに議論の対象になっている。もちろん温暖化を解決することは一筋縄ではいかず、原因も多岐にわたる。本書もまた原因を追求する一手段としてクマゼミを取り上げているが、ちょうど夏の時期であるだけに、クマゼミを取り上げるのは旬といえるのかもしれない。 第1章「近年に見るセミの変化」 大阪をはじめとした西日本で最近クマゼミが増えているのだという。そ […]

壁を崩して橋を架ける―結果を出すリーダーがやっているたった1つのこと

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。 「壁」や「橋」と聞くとピンと来ないのだが、本書のサブタイトルを見ると、リーダーとメンバー、そして上司と部下との間を「壁」「橋」に見立てている。そもそも立場が異なることから「壁」ができてしまうのはごく自然なことであるのだが、そもそもチームとして円滑に進めるためにはその「壁」を崩し、コミュニケーションの架け橋を築く必要がある。それをどのようにしてつくり、チーム […]

企業スポーツの現状と展望

「企業スポーツ」というとあまり聞きなれないイメージがある。しかし、スポーツ選手の中でも企業に所属している選手がおり、そこの正社員として働く傍らで、プロスポーツ選手として活動している方もいる。有名どころではスキージャンプ界のレジェンドである葛西紀明氏がいる。葛西氏は北海道に本社ある住宅メーカー・土屋ホームに所属しており、そこでは所属スポーツ選手だけではなく、住宅販売の業務も行っているという。葛西氏の […]

子どもと貧困の戦後史

「貧困」は長きにわたる歴史の中で自然に存在したことである。それは身分もあれば、災害や戦争といった大きなことから、ひょんなことで貧困に陥ってしまうような事例も存在する。その中でも本書は「子ども」にフォーカスを当てて、戦後間もない時から子どもはどのような貧困があったのか、そのことについて取り上げている。 第1章「社会調査データからみる子どもの貧困の戦後史」 子どもと貧困は戦後の歴史から見るとけっこう存 […]

蜷川幸雄の劇世界

「世界のニナガワ」と呼ばれ、数多くの芸能人を舞台に上げた演出の鬼・蜷川幸雄が今年の5月に帰らぬ人となった。稽古や本番前のリハーサルなどで怒鳴ったり、物を投げたりすることが多く、そのことから「鬼」と名付けられたといえる。しかしその妥協なき演出によって、アイドルを演劇の世界に踏み入れさせ、そして大成した方も少なくない。その妥協のない演出はどのようなものだったのか、長らく蜷川の演出を見続けてきた著者が解 […]

地方消滅 創生戦略篇

地方は東京に比べても衰退の一途をたどっており、消滅の危機にある。それは著者の一人である増田氏が2014年に「地方消滅―東京一極集中が招く人口急減」を中公新書にて出版されたときに口火を切った。それから地方は本当に消滅するのかどうか、様々な論者が議論をするようになった。 しかし増田氏はその地方消滅を食い止める手立てはないわけではなく、イノベーションを行うことによって都会以上に発展するきっかけを築くこと […]

「表現の自由」入門

日本国憲法の第21条にて定められているものとして「表現の自由」がある。その自由はどのようにして担保するのか、そしてその表現の自由はどの範囲で保障されるか、そのことについて取り上げている。ちなみに本書は日本国憲法上での「表現の自由」ではなく、それが条文化された歴史も踏まえている。 第1章「表現の自由」 日本では冒頭にも書いたところで明文化されているが、アメリカでは「合衆国憲法」にて定められている。ほ […]

金持ちは崖っぷちに住む

金持ちは崖っぷちかというとそうではない。もしかしたらかつて放映されていた「火曜サスペンス劇場(火サス)」のファンというイメージも出てしまう。というのは主役を多く務めた船越英一郎と片平なぎさが崖の上で解決のやり取りをしているシーンを連想してしまうからである。 妄想はここまでにしておいて、文豪をはじめとした人物や俗に「セレブ」と言われる方々はこぞって「崖っぷち」に住む傾向にあるという。そもそもなぜ崖っ […]

プロ法律家のビジネス成功術

「法律家」と言っても様々な人がいる。著者のような行政書士もいれば、司法書士、さらには弁護士・弁理士といった様々な法律を駆使して、サービスを提供するという側面を持っている。そのことから法律を利用したビジネスとも言えるのだが、そもそもそれらは公的な資格を取得して、初めてその仕事を行うことができる。人によってはその方々が集まるような事務所に就職し、修行を積んだのちに独立開業をする人も少なくない。しかしそ […]

食と農でつなぐ――福島から

福島といったら5年前に起こった原発事故を機に、帰宅困難区域が続いているところがある。そのことから住まいだった福島から離れざるを得ないようなときもあった。しかし福島に戻った後でも絶望や迷走に覆われる日々が続いた。しかしその希望となる「食」や「農」をつなぐきっかけになるのが本書である。 第一章「手探りの三年間」 福島第一原発事故をきっかけに福島は一変した。農業にしても漁業にしても生産できていても、売る […]