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2016年9月

呼鈴の科学 電子工作から物理理論へ

私自身、家にいないことも度々あるのだが、たまに家にいるときもある。その時に「ピンポーン」と呼び鈴が鳴るのだが、それがなると途端に反応をしてしまう。そのたびに思ってしまうのだが、呼鈴のパターンは色々あれど、途端に反応してしまうのはなぜか、そこには「科学」が秘められているのだが、その秘められているメカニズムを取り上げているのが本書である。 第0講「科学は観察にはじまる」 科学を研究するには観察がどうし […]

ゴッド・スパイダー

本書は生きた蜘蛛に関するミステリー作品かと思ったがそうではなく、「人口蜘蛛糸」とっ呼ばれるものの量産化に明け暮れるある研究者とその周りで起こったミステリー作品である。しかもミステリーでありながら、殺人事件はなく、むしろ量産化のプログラムを盗む、あるいは改ざんするといった「ハッキング」の事件が起こり、その真相を追うような作品である。 本書を読んでみると主人公ではなく別の人物がすでに「人口蜘蛛糸」の量 […]

マーケットデザイン―最先端の実用的な経済学

マーケットをデザインするということとは一体どのようなものなのか、私自身も本書に出会うまでは全くと言ってもいいほどわからなかった。しかし経済を動かす、あるいは自分自身のビジネスを生み出し、育てるためにはマーケットデザインは多かれ少なかれ必ず必要なものになる。しかしどのようにしてそれをつくっていくのか、本書はその考え方について論じている。 第一章「組み合わせの妙技―アルゴリズム交換とその威力」 そもそ […]

梟首の遺宝

本書はもちろんフィクションであるが、そのフィクションは17世紀に実際に起こった虐殺事件を着想して取り上げられている。その事件をもとにして東北の村に隠された「異端者」の楽園と「ドチリナ・カムイモシリ」と呼ばれる古文書がミステリー作品の物語の核心に迫っている。 ちなみに「ドチリナ」はアイヌ語で「経典」であり、「カムイモシリ」という宗教の経典のことを表している。その「ドチリナ」を巡って行方不明になったり […]

激務に負けない名医の養生術 誰でもマネできる105の習慣

私自身仕事が「激務」になることがある。その激務の連続をどのようにして養生していくのか、私自身も課題としてある。そもそも20代は体力が有り余っていることから多少の無理はできるものの、30代に差し掛かってくると体力面で不安を覚える場面が色々と出てくる。その体力面の不安をどのようにして養生をすることで解消していくのか、本書は食・心を基軸に取り上げている。 第一章「心身を養う~運動編」 心身を養うために運 […]

百姓たちの水資源戦争―江戸時代の水争いを追う

環境問題を考えていくうえで行きつくところの一つとして「食糧戦争」と、もう一つは淡水を争う「水戦争」がある。特に水資源を巡っては海外の企業が諸外国の土地を買い占めるといったことが起こっており、日本でも同じように起こっている。 本書の話に移るのだが、こういった水戦争は江戸時代にも現にあったのだが、その水戦争は現在起こっている環境問題よりも農業における業務用水の確保における「水戦争」が起こっていたという […]

職場の理不尽に怒らず おだやかに働く技術

著者の横山様より献本御礼。 職場には様々な人物がいる。その中には「理不尽」に怒りを振りかざし、場の空気を乱すような人も少なくない。もちろんそういった理不尽な「怒り」は誰にでも存在する。その存在する怒りをどのようにコントロールすべきか、本書はその習慣と技術、トレーニングを伝授している。さらに本書には「怒りチェックシート」が付録されており、一つ一つチェックしながら、本書でもって部分的に実践することがで […]

認知症―専門医が語る診断・治療・ケア

かつては「ボケ」「痴呆症」といわれたのだが、「差別」という批判を受け「認知症」に変化していった。その認知症は様々な形を変えつつ予備軍を含め、数多く罹患している人々がいるという。それをどのように予防すべきか、そして早期発見をし、治療・ケアに持っていくべきかを取り上げたのが本書である。 Ⅰ.「根治できない病気が多いのになぜ早期診断が必要なのか」 認知症に限らずガンなどの生活習慣病は予防が必要であると同 […]

昭和特撮文化概論 ヒーローたちの戦いは報われたか

戦後しばらくしてからずっとヒーローものが生まれるようになった。古くは今や亡き作曲家・川内康範氏が生み出した「月光仮面」をはじめ多くのヒーローが生まれた。現在でもヒーローと呼ばれる存在は数多くあるのだが、そのヒーローは報われたのかというと思わず首をかしげてしまう。そのかしげてしまう要因はいったいどこにあるのか、そのことについて考察を行ったのが本書である。 第一章「巨大化したヒーロー」 巨大化したヒー […]

現代思想の断層―「神なき時代」の模索

今から6年ほど前に「ニーチェの言葉」がベストセラーになったのだが、そのニーチェの言葉の中に「神は死んだ」という言葉がある。元々の西欧思想はキリスト・ユダヤの両宗教の基層としてあったのだが、このニーチェの一言で崩れ去ったと同時に現代における思想の根本が出来上がったと言っても過言ではない。その現代思想はどのようにして形成されていったのか、本書はマックス・ウェーバーをはじめとした哲学者・心理学者の思想を […]