ゴッド・スパイダー

本書は生きた蜘蛛に関するミステリー作品かと思ったがそうではなく、「人口蜘蛛糸」とっ呼ばれるものの量産化に明け暮れるある研究者とその周りで起こったミステリー作品である。しかもミステリーでありながら、殺人事件はなく、むしろ量産化のプログラムを盗む、あるいは改ざんするといった「ハッキング」の事件が起こり、その真相を追うような作品である。

本書を読んでみると主人公ではなく別の人物がすでに「人口蜘蛛糸」の量産化に成功しており、実用化に向けて動きが出始めたのだが、そのデータが盗まれたことから人生は大きく狂ってしまう。ハッキングは国内でも往々にしてあり、なおかつ実害を被っている所も少なくない。ハッキングに限らずともセキュリティに関する事故もメディアで幾度となく取り上げられている。

そのことを考えると現代に通ずる「ミステリー」と言えるのだが、元々ミステリー好きな方々にとっては違和感があるように感じる人も少なくないのだが、ミステリーを読みなれておらず、なおかつ社会的な作品が好きな人だったら興味深く読むことができる一冊と言える。

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