18歳選挙権ガイドブック

今年の7月に参議院選挙にて18歳以上に選挙権が与えられ、なおかつ実際に18歳・19歳も投票が行われた。その選挙権の引き下げにはどのような意味を持つのか、そして18歳・19歳が選挙権を持つにあたり頭に入れておく、考える必要のあるものは一体何かを取り上げたのが本書である。

第1章「政治にひそむ3つの落とし穴」
政治には色々な世界があるのだが、その政治を考えるに際し、政治の中に潜む「落とし穴」を本章にて取り上げている。それは、

1.無関心と無力感(p.19より)
2.センセーショナリズム(p.29より)
3.情報操作(p.36より)

の3つである。それぞれメディアから私たち国民に伝わる情報の中にもそういったものが挙げられる。

第2章「「18歳」とはなにか」
戦後日本はこれまで男女20歳以上に選挙権が与えられてきた。しかし諸外国では18歳以上が大多数であり、それに合わせて選挙権が18歳以上になったのではないかという指摘がある。そのことも含め「18歳」で選挙権が与えられる定義はどのようなものなのか、そのことについて取り上げている。

第3章「「民主主義」とはなにか」
日本をはじめ先進国の多くは「民主主義」によって国家は成り立っている。その「民主主義」の概念はいつ頃からできて、そして日本ではどのような形で役に立っているのか、そのことについて取り上げている。

第4章「「主権者教育」とはなにか」
日本では「国民主権」によって成り立っているのだが、その主権者のための教育はどのようにしたら良いのか、教育のあり方とともに論じている。

第5章「「7つの課題」とはなにか」
選挙に参加するにあたり考えておく必要のある7つの課題がある。その一つとして日本の人口や世代、都市と地方、経済、教育、エネルギー、外交など様々であるのだが、これは大まかにカテゴライズしたものであり、一つ一つのカテゴリーの中にも課題はたくさんある。そのカテゴリー内の課題を一つ一つ取り上げていくと、本書ではとても収まらないため、あえて大まかなカテゴリーにして課題としてピックアップしている。

第6章「「18歳選挙権」投票ガイド」
18歳・19歳が選挙に参加するためにはどうしたら良いか、そして選挙制度はどのようにして変化をしたのか、そしてどのようにどう評していけば良いのかの方法をガイドとして伝授している。

18歳以上に選挙権が与えられ、参議院選挙以降は大きく変化したのかというと思っている以上に大きな変革こそないものの、しかしじわじわと変化をしていくことができる。そのことを本書でもって教えてくれる。