ブランド―価値の創造

「ブランド」と言うと、その会社、あるいは商品の区別するための概念であり、もっともそれに対する価値を上げることもまた会社、あるいは商品としての価値を上げるものである。最近では「個人」そのものの価値を上げるといった「ブランディング」も行われるなど、もはや会社やビジネスだけでなくなってきている。

とはいえ本書はビジネスにおける「ブランド」の価値と創造、さらには成長を行うためにはどうしたらよいか、「マーケティング」の観点から取り上げている。

第一章「ブランドが支える企業の成長」

企業においてブランドの商品や概念を生み出し、それを成長することによって企業にとっての利益、さらには価値を持つようになる。本章でグリコと日清食品のケースをもとにしてブランドの成長と企業の成長の双方の効果を取り上げている。

第二章「ブランドだけがブランドの現実を説明できる」

ブランドは製品やサービスも含めた区別するための概念であるのだが、マーケティングの観点からは「ブランド」の基軸は様々である。一つは特筆な「技術」を表しているもの、もう一つは使った事による「効果」を表しているものなどもある。もっともブランドとなると説明できないものかもしれないのだが、「区別」をしているため、むしろ現実的に何が違うのか説明しやすくなっている。

第三章「ブランドの創造的適応」

ブランドはどのように適応していくのか、それはブランドごとに変わってくるため、一概には言えないのだが、今まであるブランドのスタイルを抗するようなものを打ち出すものもあり、その中には物議を醸すものもある。

第四章「ブランドの価値論」

ブランドにはそれぞれの「価値」を見出している。しかしその「価値」はどこでつくられ、論じられるのか、ブランド事に異なると言えばそれまでだが、本章では効果、さらには商品としての種類・属性などからどこに「ブランド」が生まれるのかを分析している。

第五章「ブランドの命がけの跳躍」

一つのブランドが会社、社会にどのような効果をもたらすのか、そしてどのような価値を見出すのかが関わってくる。その力のことを「ブランド・パワー」と提示しているのだが、その度合いはどのようにして大小が問われるのか、そのことについて取り上げている。

第六章「消費者とブランド価値」

消費者にとって「ブランド」は価値そのものである。購入だけもあれば、購入して所持していることによって、自分自身の価値を見出してくれるようなものもあれば、実際に使って見て効果を得られるという価値も得ることができる。

「ブランド」自体、マーケティングの観点からよくあるものである。しかしなぜ「ブランド」があるのか、「ブランド」そのものにどのような価値を見出すのかなど、「ブランド」の根本的なメカニズムを知ることはあまりなかったと言える。その根本的な「価値」と「理由」が本書に全て詰まっている。