乙女の絵画案内 「かわいい」を見つけると名画がもっとわかる

私自身「絵画」はあまり観ないのだが、絵画を観るとうまいというよりも、その絵の中にのめりこんでしまい、絵に込まれている表現やメッセージに溺れるような感覚に陥ってしまう。そのことから色々な絵画を観るとなると様々な視点が存在する。本書の著者はアイドルグループ・スマイレージの1人であるのだが、大の絵画好きで、なおかつ大学でも美術を専攻しているという。その著者がどのような絵画を魅入ったのかを取り上げている。

第Ⅰ章「可憐な少女」
著者が絵画を選んだ観点として、本書のタイトルにある「乙女」であること、そして各章ごとに異なる要素がある。本章では「可憐」、つまり「かわいい」ことを主点に置いた絵を4点取り上げている。その4点がなぜ「かわいい」のか、その理由も併せて掘り下げている。

第Ⅱ章「美しい貴婦人」
次は「貴婦人」である。女性の絵画は数多くあるのだが、その多くは次章以降で取り上げる「乙女」や「貴婦人」であることが多い。その中でも「貴婦人」にあたる部分が本章にて取り上げているが、本章では日本画も1点存在する。

第Ⅲ章「シンボルとしての乙女」
「乙女」について2章連続で紹介される。最初は「シンボル」。乙女の絵画の中には理想形と言われる「シンボル」の乙女が存在する。その多くは有名な絵画であるのだが、その絵画はどのようにして「シンボル」を成し得たのかを取り上げている。

第Ⅳ章「乙女の日常」
絵画に移る「乙女」にも「日常」の描写はある。その「日常」を取り上げた絵画は「シンボル」ほどではないものの少なくない。その「日常」にも「シンボル」に負けない部分があり、その理由を4点の絵画とともに紹介している。

第Ⅴ章「やまとなでしこの魅力」
最後に取り上げる4点の絵画はすべて日本画である。日本画には海外の絵画にはない「ならでは」の魅力も込められている。その魅力とはいったいどこにあるのか、本章では代表的な女性の日本画とともに取り上げている。

絵画が好きなのはどの世代でも存在する。しかし「絵画が好き」と言ってもその嗜好の種類は人それぞれである。本書は乙女の視点から絵画の魅力について取り上げられていたが、他の世代はどのような絵画を紹介するのか知りたいところである。