テロリストは日本の「何」を見ているのか 無限テロリズムと日本人

今日ではアメリカをはじめ、中東諸国・ヨーロッパなど様々な国々でテロが発生している、過激派団体によるものが多くあるのだが、政治に対する不満を持った人が単独で行うケースもある。もっとも日本にテロはないと認識されがちであるのだが、22年前に世界を震撼させたあるテロ事件が起こった。そう「地下鉄サリン事件」である。オウム真理教によるものだが、この後日本がテロに襲われる可能性も捨てきれない。そもそもテロリストたちは日本に対して何を見たり、思ったりしているのか、そのことを取り上げている。

第1章「グローバルテロリズムの到来」
もっともテロリストに取材がなければそういった本が書けないと思ってしまうのだが、著者はかつてテロ事件が頻発していた東ティモールの暫定政府の県知事を務めたことがあり、なおかつ武装解除に向けての行動にも尽力した。そのことからテロリストが何を思っているのかはある程度わかるという。その触れていった中でテロは大規模な戦争や侵略を行う可能性、そしてテロのグローバル化があるのだという。

第2章「テロリストによる核攻撃の脅威」
テロリストが核を持つという危険性があるという。その危険性を軽減する方法として「各セキュリティ」があるが、そもそもそれは何か、核保有国ではセキュリティが十分なのかを検証している。

第3章「テロリストは無限に増え続けるのか」
テロリストは増え続けていくのかと言うと、著者は否定的な見解を示しているのだが、もっともISISをはじめとした団体ではSNSなどインターネットサイトを利用して若者の構成員を増やしていく傾向にあるという。

第4章「テロリストは日本をどう見ているのか」
本書のタイトルにあるテーマであるのだがもっとも日本はテロ対策がそれほど十分ではないことから、日本はテロのターゲットにされやすいと著者は分析している。もっとも恐怖をあおらせることによってテロが生まれることもまた一つの要因としてあるという。

第5章「テロリストにどう向き合うのか」
テロリストと向き合う方法は様々であるのだが、その中でもテロリストの中でも内ゲバが存在するという。もっともテロリストをいかにして「対処する」と言うよりも「向き合う」ことによって「抗体」を生み出し、テロをどんどん排除することができると著者は踏んでいる。

第6章「グローバルテロリズムの震源地」
グローバルテロリズムが起こっている震源地としてどこなのかと言うと様々なメディアを見てみると中東諸国なのかと思ってしまうのだが、実はそうではない。本章ではその震源地を取り上げている。

第7章「アメリカの試行錯誤と日本」
アメリカではテロの対策を試行錯誤している状況だが、日本では本当に議論をしているのかと言うと一部でしか行われていない。もっとも論者によっては「私の国には9条があるから大丈夫」といったことを言う人もいる。著者自身もそういった論者たちの集団に入ったことがあるのだが、ある「矛盾」があったことを指摘している。

第8章「テロに対峙するための新9条」
そのことを考えて著者は新たに日本国憲法の9条を改める案を出した。9条改正と言うと会見論者がよく言うのだが、それに与せず、護憲の考えを鑑みながら細かく明記している所が特徴としてある。

テロは日本には関係ないことでは決してない。今もテロリストは日本を標的にして攻撃を仕掛けてくるのかもわからない状態である。これは国防も含めた様々な観点から対策を進めていくことが急務であり、日本を守るうえで国会にてもっとも議論されるべき重要事項であるのだが、重い腰を上げるかどうかは定かではない。