一言力

論理的な説明でも理解できるのだが、たった一言だけで背中を押されたり、理解したりするようなことが往々にしてある。一言だけの力はすさまじいのだが、その一言を磨くためにはどのような力が必要なのか、本書は8つの単元を用いて伝授している。

第一章「要約力」
「一言」といっても長い説明などを数文字にして短縮させて行うことを「要約」という。たった一言でインパクトを持たせる、意味を持たせるにはその元となる説明をいかにして短くしていくのかにかかっている。

第二章「断言力」
言葉を伝えるためには口を濁すようなことをしてしまうと伝わらない。口を濁すことはせずに伝えるためには断言をすることが肝心である。

第三章「発問力」
一言を受けると伝わったり、考えるようなきっかけになったりすることがある。その一言の中には「問いかけ」と呼ばれるようなものがある。その「問いかけ」はいかにしてつくられていくのか、ケースと共に取り上げている。

第四章「短答力」
答えにしてもシンプルなモノが必要になる。後の説明はあくまで蛇足的なものであり、むしろ単純な答えで相手もスッと理解できるようになる。その理解をいかにして導いていくか、その方法を伝授している。

第五章「命名力」
名前をつけることで命を吹き込むようなこともまた「命名」である。その命名をどのようにして名付けていくか、そのことで効果は大きく変わってくる。

第六章「比喩力」
言葉遊びをして行くのも言葉の印象を強くさせ、相手に伝えていくものとして挙げている。その伝えていく手段として比喩が挙げられる。その比喩の仕方にも様々なルールがある。そのルールとは何かを追っている。

第七章「旗印(はたじるし)力」
いわゆる「スローガン」であるのだがそのスローガンをつくり方によって人の心を動かし、行動に結びつけさせることができる。スローガンは一言であるのだが、根本に関わるものであるため、気をつかう必要がある。

一言に気をつかうことにより、そのことがビジネスとしても、人間としても大きな成功につながる引き金となる。本書はそのことを示している。