いつか、あなたも

人にはそれぞれの「縁(よすが)」がある。その縁は巡り巡って「終末」と呼ばれる人生の終わりの中で物語が生まれる。病魔に見舞われながら、家族の暖かさもある。その反面病気であるため、「決断」に迫られるような状況に陥ることがある。その姿もありありと伝えている。

本書は短編集であるのだが、1編1編それぞれに家族があり、病気があり、それぞれの「物語」がある。その物語は家族や医者をはじめとした人間関係が時には考えさせられ、時には家族の大切さを知るような機会になる。

家族、医療など社会的なことはもちろんのこと、もしも自分が本書の物語のような状態になったらどうしたら良いのかも含めて考えるきっかけとなった一冊である。もっとも家族を持っている方々、あるいは親がまだ存命である方々であれば是非読んだ方が良い一冊である。介護や病気など避けて通れない道をあらかじめ考える準備が出来るためである。