高齢初犯

あまり聞き慣れないように見えるのだが、実際にはそういった犯罪も増えてきているのだという。総合的な犯罪数こそはまだ統計は調べてはいないものの、少なくとも高齢者の犯罪は増えてきているのだという。もっとも犯罪の「再犯」もあるのだが、初めて犯罪を犯すいわゆる「初犯」と呼ばれる高齢者がそれ以上に急増しているという。

そもそもなぜ高齢初犯が増えているのか、そこには日本社会そのものの「現状」と言う名の「闇」が潜んでいる。その「闇」の本質とは何か、そして「闇」に飲まれないために高齢者はどのようにしたら良いのかを示している。

第1章「高齢初犯はなぜ増えているのか~もはや他人ごとではない~」
高齢者の犯罪率が年々上昇しているのだが、その要因として何があるのかを分析しているとともに、「高齢者ストーカー」の実態を追っている。

第2章「高齢者はなぜ犯罪に走ってしまうのか~魔が差す瞬間とは~」
犯罪の中でも「万引き」や「強盗」といったものがあるのだが、その犯罪に手を染める理由として「魔が差した」と供述する犯罪者も少なくない。しかしながら「魔が差した」と主張する者のなぜ「魔が差した」のか、その行動や心境について取り上げている。

第3章「高齢者はなぜ犯罪に走ってしまったのか~犯行後のこころの軌跡~」
もちろん犯罪に手を染める理由として「こころ」が挙げられるのだが、もっとも高齢者であればあるほど感情の制御が効かなくなる。その制御のできない中でカッとなって犯罪に走るようなことがあるという。

第4章「日本だけが、なぜこんなことになっているのか」
もっとも高齢者犯罪が多くなっている、その中でも初犯の高齢者が多くなっているのは日本だけなのだという。なぜ日本だけなのか、そしてその根本には「社会的孤立」があるという。

第5章「NNNドキュメント「あなたは、なぜやったのですか?増え続ける高齢初犯」放送を終えて」
2013年の12月15日に放送されたドキュメント番組であるのだが、なぜ番組として取り上げたのか、そして放送された後の反響はどうであったのかも含めて取り上げている。

第6章「高齢初犯に陥らないための「7つの習慣」」
高齢者が犯罪に手を染めないためには高齢者が行うよりもその周囲の人の気遣いが大切であるという。その大切である中で「7つの習慣」として伝授しているのが本章である。

高齢者の犯罪が増えているのだが、それを減らすためには日本社会そのもの、そして元々あった「つながり」を持つことが大切にあるのだという。その犯罪の現状と改善の指針を示した一冊である。