農業と人間――食と農の未来を考える

食の問題は人間の生活の中で深く関わり、政治的な問題の一つであり、なおかつ環境問題にも影響をする部分としても挙げられる。そのために農業や食に関わることについては根深い中でありながらも重要なものとしても挙げられる。しかしその未来はどのように市べきなのか、そして議論はどのようにして発展していくべきなのかも含めて議論しているのが本書である。

第1章「フード・セキュリティ―途上国と先進国」
フード・セキュリティとは直訳すると「食糧安全保障」のことを表し、

「予想できない要因によって食料の供給が影響を受けるような場合のために、食料供給を確保するための対策」「緑のgoo」より)

を表している。日本では飽食と呼ばれるような中でありながら、発展途上国では飢餓にあえいでおり、餓死者も出てきている。もっとも栄養不足も8億6千万人おり、それに向けた対策もFAO(国連食糧農業機関)を中心に進めているのだが、それもまた国際的な協力や利害関係によって阻まれている部分もある。

第2章「経済発展と農業」
国ごとに分けてみるとそれぞれ経済に差があり、なおかつ成長の幅も異なる。その成長の幅をどのようにして国際的な協力でもって世界の農業を支えていくのか、そして日本の中でも農政改革を時代と共に進めていくのかを取り上げている。

第3章「経済成長と食生活」
経済成長と共に食生活も変化していることはよくあるのだが、日本では大東亜戦争後に食生活も洋食中心に大きくシフトしていった部分も経済成長の影響によるものとも言える。

第4章「農業の成長と技術進歩」
農業もまた進化をする。ほぼ全て手作業で農業を行っていたものが、機械が取り入れられ、さらに全自動化するといった技術にまで至り始めている。その中でどのような進歩を遂げてきたのか、そのことを取り上げている。

第5章「変わる農業、変わらぬ農業」
経済成長と共に農業のあり方も変わっている。しかしながら農業のあり方が変わらないこともある。その変わるもの・変わらないものの違いとはいったい何なのかを論じている。

国際的な議論の中でも農業や食などのことについても行われているのだが、一つ一つの議論をして行く中で日本も含めて食をどのように改善していくのかを考えているのかも知れない。しかしながら今でこそ飽食である日本がいつ飢餓に陥るのか分からない。だから今でこそ日本でも、家庭単位でも議論すべきなのかも知れない。

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