ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか

私自身毎日のニュースはネットで見ることがほとんどである。速報はもちろんのこと、少しだけ詳しいニュースにしてもけっこうネットで見てしまうためである。かつては新聞もいくつか読むことがあったのだが、いつしかネットだけにシフトしていった。

しかしネットの情報は玉石混淆であり、そのために批判的、あるいは懐疑的に見ていくことによってニュースのリテラシーや考え方を身につけることも大切であるのだが、それを鵜呑みにして行くような人も少なくない。また昨年12月にはキュレーションサイトでの偽情報もあれば、他にも様々な偽ニュースが流れたほどである。なぜ偽ニュースが出てきたのか、そのことを取り上げている。

第一章「戦争前夜 偽ニュースはなぜ生まれたのか」
そもそも偽ニュースは何故生まれたのか、そこにはソーシャルメディアや掲示板が挙げられる。特に後者の場合は15年以上前からもあり、タレントが被害を受けたケースまであった。

第二章「王者ヤフーの反撃」
検索サイト、ニュースサイトでは今でもなお日本で一番閲覧されているサイトと言える。しかしながら最近では他のメディアに流れることがあるのだが、それに指をくわえて待つようなことはなく、反撃を手立てを行い始めている。

第三章「負け組LINEの再挑戦」
LINEはソーシャルメディアの代表格として挙げられるものの、ニュースはほとんど読まれていない。しかしそのLINEもニュースに対しては力を入れ始めている。

第四章「戦いのルールを変えたスマートニュース」
スマホを使っている方々にとってもニュースを得る機会は多く、ニュース専用のアプリは色々とある。その中でも最も人気のあるアプリの一つとして「スマートニュース」がある。そのスマートニュースは今あるニュースの常識やルールを変えたと言われている。その本質を取り上げている。

第五章「課金の攻防・日本経済新聞」
既存の新聞もまたアプリを開発したり有料会員制にしたりして、スマホやネットに向けた対策やサービスを増やすなどしている。その中で経済新聞としての代表格である日本経済新聞は有料会員制として先陣を切ったのだが、それが失敗続きになってしまうこととなり、また紙の購読料も値上がりするなど、ある意味四面楚歌の状況に陥っている。

第六章「素人のメディア・ニューズピックス」
ニュースサイトは素人でもつくられるようになった。もっともポータルサイトも含めて素人がつくる事ができる時代となったためなのかもしれない。しかし素人メディアとはいえ、淘汰されることが多いのだが、中には人気が出たニュースサイトもあある。その代表格として「ニューズピックス」があるという。

第七章「猫とジャーナリズムと偽ニュース」
「猫も杓子も」と言う言葉があるのかも知れないのだが、ニュースもまた玉石混淆である。もちろんニュースの中にはソーシャルメディアを鵜呑みにしてしまい、誤報や偽ニュースを流すこともあれば、虚構新聞のようにある意味ネタとして嘘のニュースを積極的に流すメディアもある。

もっともメディアリテラシーと言う言葉は新聞やテレビのニュースに対してどのように扱っていけば良いのかを問うているのだが、最近になってネットのニュースもまた対象になってきている。そのことを考えるとリテラシーはますます重要視されるのだが、それを育む上で、本書は重要である。