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2017年12月

猫には嫌なところがまったくない

全くその通りと答えてしまうようなタイトルである。もっとも私自身は猫を飼ったことはないのだが、野良猫を見ては鳴き真似をして近づく猫の様子が好きである。もっとも近づいてくれると気まぐれでありながらも、時折人なつっこさが出てきて、癒やされる感じがなんとも言えない。そのこともあり、嫌なところを見つけようにも見つからない。 本書の著者もまた同じような感触を持っている。以前に名ジャズピアニストが猫に対するエッ […]

われらマスコミ渡世人

マスコミの世界に生きる人は少なからずおり、長年に渡って活躍する人もいる。その中にはテレビに出ずっぱりの方もいれば、年に数冊上梓し、なおかつ週刊誌にも投稿するような方々がいる。その方々の中で代表する2人が、マスコミに生きた中での人生を振り返りながらマスコミの世を渡ることについて取り上げている。 第一章「ぼくらのヴ・ナロード」 「ヴ・ナロード」とは19世紀の公判当時の帝政ロシアで行われた運動で使われた […]

糖尿病に負けない食べ方 糖尿病患者による食事療法と運動療法体験談

糖尿病は主だってある生活習慣病の一つであり、予備軍も含めて1千万人にも2千万人にも及ぶ。生活習慣を少し乱れただけでも糖尿病の危険性もあり、一度かかってしまうと治療を一生かけて行う必要があり、一生引きずる病気である。もっともインスリンなどの薬もある一方で食事療法や運動療法の治療方法がある。その中でも本書は患者の方々による食事療法と運動療法の体験談を綴っている。 1章「糖尿病患者による糖尿病の食事療法 […]

スピンク日記

スピンクと言う名前は珍しいのだが、それは本書の表紙にある犬の名前を表している。ちょうど耳に当たる部分がピンク色をしていることから表しているのかも知れない。 そのスピンクと主人との付き合い、なおかつ犬の生態とともに、どのように飼っていたのか、著者と犬との関係と出逢い、さらにはエピソードなどふんだんに織り込まれているエッセイ集である。 犬は忠実な生き物のように見えて、人間にないかわいさと滑稽さが織り交 […]

文部省の研究 「理想の日本人像」を求めた百五十年

今でこそ「文部科学省」であるのだが、かつては文部省と科学技術庁の2つに分かれていた。2001年の省庁再編に伴い、現在の省庁になった。しかしかつてからあった文部省の名残は存在する。その文部省は日本の政治形態ができはじめた1871年に設置された象徴であり、近代から現代に賭けての教育・思想を司ってきた省庁である。もちろん歴史と共に役割を変化してきたのだが、その変化はどのような物だったのか、それを研究した […]

人質の朗読会

「生と死」 この言葉は必ずと言ってもいいほど出てくる。そういったことについて教育の場でも語られたり、議論したりすることがあり、いわゆる「デス・エデュケーション」として扱われることがある。 それはさておき、死と直面する人びとが、日常から隔離された中でどのような本の朗読を耳を澄ませて聴くのか、そのことを描いている。生への祈りや死について見つめている用に思えてならない。 日常から離れて自分自身にとって「 […]

問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

昨年の6月23日にイギリス全土で国民投票が行われ、開票しEU(欧州連合)からの脱退が決まった。早ければ2019年3月に脱退することとなるのだが、実際にいつ脱退となるのかはこれからの議論で決まるのだが、なぜイギリスはEU脱退を決めたのか、そしてその後の世界の政治・情勢の構図はどのように変化していくのか、そのことを取り上げている。 1.「なぜEU離脱を選んだのか?」 元々イギリスがEU離脱をメタ理由と […]

育児は仕事の役に立つ 「ワンオペ育児」から「チーム育児」へ

保育園問題があるのだが、そこには育児休暇など、働きながら子育てをする中で育児ができる場所があるかどうか、そして仕事にしてもいつまでできるのか悩みどころである。 しかしながら子育ては本当に夫婦が行う必要があるのか、そしてこれからの「子育て」のあるべき姿とは何か、そして本書のタイトルに「仕事の役に立つ」とあるのだが、それは何故なのかそれを紹介しているのが本書である。 第1章「「専業主婦」で少数派になる […]

通勤電車のはなし – 東京・大阪、快適通勤のために

私自身は仕事をする際に通勤電車に乗ることがある。場所によっては寿司詰めのような電車となり『痛勤電車』とも呼ばれることもある。その電車は日本に鉄道ができてからずっとあったのだが、戦後になってからはそれが自宅から会社に向けての通勤に対して電車を使うことが多くなっていった。そのことから『痛勤』と呼ばれるほどの混雑率となっていったのだが、もちろん鉄道会社は対策を進めていった。その傾向と対策、そしてこれから […]

神奈備

2014年に起こった御嶽山噴火の犠牲者や被災者とその遺族・家族の方々のために捧げた一冊が本書である。 本書はその御嶽山の麓に住んでいる少年立ちの物語である。その物語には神に対して悲劇となるような出来事・試練が起こりながらもそれを乗り越えるという物語である。 日本でも「八百万の神の国」と呼ばれるようにそれぞれの山にも神が宿っている。その神に対してどのようにして同居し、なおかつ乗り越えていくか、健気で […]