ドローン・スクランブル

かつてドローンが首相官邸に落ちた事件があった。そのことから日本中に「ドローン」に対する認知が高まっていった。今となっては家電量販店でも当たり前のように売られており、もはや誰にでも手に入るようになったものとなった。

そのドローンの用途は多彩であり、撮影や単純に動かすだけのものから、軍事・消防的な用途に至るまである。

本書はそのドローンを巡っての闘いが描かれている、国の管轄である防衛省、そして日本の経済界を司る大企業、新たな技術・概念で以て参入したベンチャー企業と三すくみの戦いである。

この三すくみはフィクションであるのだが、なんとも今の国・経済界のあり方を描かれているように見えて、なおかつそれぞれの立場との闘いも描かれており、社会的でありつつ、スリリングさも持ち合わせている面白い一冊である。