真説・国防論

国を守る上で最も重要な要素である「国防」。もちろん軍事的な防衛もさることながら、世界情勢からの変化に対応することもまた「国防」である。

その国防を行ってゆくにあたり、何が必要なのか、そして日本の立ち位置と国防を選択するためにはどうしたら良いのか、その参考となる一冊である。

第1章「真の「国防」とは何か?」
そもそも「国防」とはいったい何か、もちろん「国を外敵から防ぐ」ことを表しているだが、その「防ぐ」ことは軍事もあれば外交などもある。

第2章「日本の「国防」とは?」
「国防」という言葉を使うと論者によっては「軍事」とイコールしてくるような人もいるのだが、第1章で書いたように外交などもある。しかし日本はどんな国か、誰のための国なのかと問われると、論者によっても異なってくるのかも知れない。

第3章「ニューワールドオーダー」―冷戦後の世界情勢」
米ロを中心とした冷戦は第二次世界大戦後から長きにわたって続き、1989年に終焉を迎えることとなった。その後の世界情勢はあたかも「パクス・アメリカーナ(アメリカの平和)」の様相を見せている。

第4章「世界の軍事の現状を考える」
かつては「眠れる獅子」と呼ばれていた中国が冷戦終結以降から目覚めるようになり、BRICsの一員となり、さらには世界第2位の経済大国にまでなった。しかも軍事的にも急成長を遂げ、今となってはアメリカに次ぐとも言われるほどの軍事力があると言われている。さらには昨今にて北朝鮮の核・ミサイル開発もあり、昨年にはミサイル発射のJアラートが流れるほどだった。

第5章「未来の戦争における「国防」とは?」
著者も私も同様に考えているのだが、既に第三次世界大戦は起こっている。しかしながら先の第一次・第二次とは違い、第三次はサイバー上で起こっている。サイバー空間でハッキングやクラッキングを起こすような攻撃は時にはメディアにて取り上げられることはあるのだが、現時点で実生活にて起こっていることは少ない。しかし今後そういた「サイバー戦争」は実生活にも影響を及ぼす可能性も出てくる。

第6章「日本人の選択」
その中で日本人はどのような選択を迫られているのか「自衛権」や「自衛隊」、軍事費などの軍事的な要素から、メディアの選択に至るまで考えるべき、行っていくべきことを論じている。

国防は国だけが行っていくべきものではなく、その国防のあり方を選択するためには選挙にて投票をすると言うのが意志決定としてある。そもそもどうやって意思決定を行っていくべきか、本書の他にも色々な本を見ていき、なおかつメディアも選ぶ、あるいは疑うと言った事を行い、最適な考えを得ていくことが必要になってくる。